総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和4年版地方財政白書(表紙) > 第1部 > 10 市町村の規模別財政状況

10 市町村の規模別財政状況

市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下この節において同じ。)を団体規模別(政令指定都市、中核市、施行時特例市、中都市(人口10万人以上の市)、小都市(人口10万人未満の市)、人口1万人以上の町村及び人口1万人未満の町村)にグループ化を行い、財政状況を分析すると、以下のとおりである。

(1)団体規模別団体数等の状況

団体数や人口、決算規模について、団体規模別に比較分析してみると、次のとおりである。

ア 団体数及び人口の状況

団体規模別の団体数の推移は、第47表のとおりである。

また、団体規模別の人口構成比の推移は、第101図のとおりである。

イ 団体規模別の決算規模(歳入・歳出)

団体規模別の決算規模の構成比の推移は、第102図のとおりである。

(2)人口1人当たりの財政状況等

団体規模別の財政状況について、人口1人当たりの決算額等を中心に分析してみると、次のとおりである。

ア 決算規模等

人口1人当たりの決算額をみると、第48表のとおりである。

これをみると、政令指定都市、中核市及び施行時特例市については行政権能が異なっており、人口1人当たりの決算額にも差が生じている。その他の市町村については規模が小さな団体ほど人口1人当たり決算額が大きくなる傾向がある。

イ 歳入

歳入決算の主な内訳は、第103図のとおりである。

地方税の構成比の高い順にみると、施行時特例市、政令指定都市、中核市の順となっており、団体規模が大きいほど地方税の歳入総額に占める割合が高い傾向となっている。

一方、地方交付税の構成比の高い順にみると、人口1万人未満の町村、人口1万人以上の町村、小都市の順となっており、団体規模が小さいほど地方交付税の歳入総額に占める割合が高い傾向となっている。

また、国庫支出金の構成比の高い順にみると、中核市、施行時特例市、中都市の順となっており、団体規模が大きいほど国庫支出金の歳入総額に占める割合が高い傾向となっている。

地方税の歳入総額に占める割合の分布状況を団体規模別にみると、第104図のとおりであり、小都市及び町村においては地方税の歳入総額に占める割合が低い団体の構成比が大きくなっている。

なお、主な税目の人口1人当たりの額は、第105図のとおりである。

ウ 歳出

目的別歳出決算の主な内訳は、第106図のとおりである。

民生費の構成比については、町村(福祉事務所を設置する町村を除く。)における生活保護費等を都道府県が負担していることなどから、町村が低くなっている。

教育費の構成比については、義務教育諸学校の人件費を負担していることなどから、政令指定都市が高くなっている。

農林水産業費の構成比については、団体規模が小さいほど高い傾向となっている。

性質別歳出決算の主な内訳は、第107図のとおりである。

義務的経費の構成比については、団体規模が大きいほど高い傾向となっている。人件費の構成比については、義務教育諸学校の人件費を負担していることなどから、政令指定都市が高くなっている。扶助費の構成比については、町村(福祉事務所を設置する町村を除く。)における生活保護費等を都道府県が負担していることなどから、町村が低くなっている。

投資的経費の構成比については、団体規模が小さいほど高い傾向となっている。

エ 財政構造の弾力性

(ア)経常収支比率

団体規模別経常収支比率の状況は、第49表のとおりである。団体規模が大きいほど経常収支比率が高い傾向にある。政令指定都市の経常収支比率が高いのは、経常経費に占める人件費及び公債費の割合が大きいことなどによるものである。また、町村の経常収支比率が比較的低いのは、主として、福祉事務所を設置する町村を除き、生活保護費等を都道府県が負担していること等により、経常経費に占める扶助費の割合が小さいことなどによるものである。

(イ)実質公債費比率

団体規模別実質公債費比率の状況は、第50表のとおりである。

これをみると、政令指定都市、中核市、施行時特例市は団体規模が大きいほど高くなる傾向にあり、中都市、人口1万人以上の町村、人口1万人未満の町村では、団体規模が小さいほど高くなる傾向にある。

ページトップへ戻る