当局は、北海道地方非常通信協議会及び北海道テレコム懇談会との共催により、3月20日(水曜日)札幌市内において、「非常通信セミナー2019」を開催しました。セミナーでは、平成30年9月6日に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」により全道で長時間にわたり停電となったブラックアウト発生直後からの当局、放送事業者及び電気通信事業者の対応とその過程で明らかになった課題等について、それぞれの関係者から報告がありました。
セミナーには、通信、放送事業者や自治体、一般企業の方など、160名以上の参加がありました。会場内には、災害対策用情報通信機器の展示コーナーが設けられ、多くの方が見学され、防災・減災に対する関心の高さがうかがわれました。
セミナーは、藤本(ふじもと)局長の挨拶の後、放送・通信分野から当時の対応について報告があり、その後、当局の取組を報告し、まとめを行いました。
「報告1 放送サービス」では、放送事業者から、中継局等でのバッテリー枯渇による停波に対応するため、事前から準備していた要員や発電機、燃料等を活用して対応したことが報告されました。また、コミュニティ放送事業者からは、情報伝達手段として活用していたスマートフォンのバッテリーの枯渇などによる連絡手段の喪失への対策、発電機燃料の確保の課題などが紹介されました。
「報告2 通信サービス」では、電気通信事業者から、停電時間の経過とともにバッテリー枯渇による基地局の停波が発生し、全国から要員と物資の支援を受け、自社電源車等設備の展開や移動基地局、衛星回線の使用などにより早期復旧に尽力されたことが紹介されました。
「報告3 北海道総合通信局における対応」では、北海道総合通信局の取組として、臼田(うすだ)防災対策室長から、発災後速やかに災害対策本部を設置し、情報収集を行うとともに、北海道庁災害対策本部へリエゾンを派遣し、被害の実態把握に努めたことを報告しました。また、災害対策用機材のプッシュ型支援を実施し、衛星携帯電話や簡易無線機等の移動通信機器や移動電源車を自治体へ貸し出したほか、災害地での情報の迅速な提供のための臨時災害対策用放送局をむかわ町及び厚真町に貸し出すなどの支援について報告しました。
最後に、佐藤(さとう)無線通信部長から「本セミナーで災害対策への認識を新たに共有できたかと思う。引き続き、放送事業者、電気通信事業者をはじめとするテレコム業界の皆様並びに道内自治体の皆様と北海道総合通信局とが一体となって北海道における情報通信分野の防災・減災に取り組んでいきたい」との「まとめ」がありました。
北海道総合通信局では、今後も非常通信訓練やセミナーなどを開催し、非常時の通信手段の確保の重要性について、周知及び訓練等を行っていきます。