北海道総合通信局は、令和5年7月28日(金曜日)、北海道テレコム懇談会との共催により、「デジ活セミナー in 北海道 〜スマホ教室開催で地域デジタル化を促進〜」をオンラインで開催しました。
政府として「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を目指していますが、特に高齢者などデジタル活用に不安のある方々をどう支援していくかが課題となっており、地域によってはDXがなかなか進まない現状もあることから、このような状況を打開するヒントとして、今回3つの自治体から取組事例を紹介していただきました。参加者からは、「各自治体の取組が大変興味深く、工夫がよく伝わってくる」、「スマホ教室を通じた、地域の課題解決のやり方に特色がある」といった意見が寄せられました。
■総務省「デジタル活用支援推進事業」について(講演要旨)
総務省では、高齢者等のデジタル活用の不安解消に向けて、令和3年度から全国の携帯ショップ等において「スマホ教室」を実施。北海道は携帯ショップのない自治体が7割以上と他県に比べて多く、昨年度まではこうした地域でのスマホ教室の実施が進んでいないことが課題であった。事業スキームの見直しにより、今年度は携帯ショップのない自治体でのスマホ教室開催を拡充した結果、独自開催を含めて道内121市町村(68%)でのスマホ教室の開催を予定している。
■北海道テレコム懇談会「デジタル活用支援推進部会」の取組について(講演要旨)
デジタルディバイドの解消を背景とする、道内のスマホ教室の開催支援のため、北海道テレコム懇談会では「デジタル活用支援推進部会」(座長:公立千歳科学技術大学 小松川 浩(こまつがわ ひろし)教授)を立ち上げ、有識者による検討を行っている。昨年度は、スマホ教室×マイナンバーカード申請手続きをセットにした「マイナ・スマホ教室」を独自に実施。今年度は、スマホ教室の中で自治体が提供するアプリの使い方を講座とする「DX・スマホ教室」を実施予定。いくつかの自治体をモデルケースとして、地域DXへの効果や課題について試行実証を行う。
■村まるごとデジタル化事業(高知県日高村の取組事例)(講演要旨)
高知県日高村は、人口約4,800人、高齢者の割合は43%、日本ではじめてスマホ普及率100%を目指す自治体宣言をした。単にスマホの普及ではなく、住民のエンパワーメントが目的。これは、住民がデジタル活用により自助力を向上させ、公助の役割を補っていくというもの。「どうせできない」というあきらめではなく、住民を信じて自信をつけさせることが大切。また、スマホを利用してもらうためには、何のために使うのか動機付けが重要。当村では、防災利用や、健康アプリと連携したポイントを地域通貨に還元する事業などを展開。こうした取組が功を奏し、11月には90%の普及率を目指す。自治体によって地域性や人口構成が異なるので、地域の課題をどう解決していくかそれぞれの自治体が考える必要がある。
8月には「デジタルディバイド解消を自治体横断で取組む新スキームを構築」の詳細を発表する予定。是非ご協力いただきたい。
■スマホお問い合わせ相談窓口「スマホロ」の取組について(上士幌町の取組事例)(講演要旨)
上士幌町は、道東十勝に位置し、人口約5,000人の酪農や畑作が盛んな街。当町では、「ドローン配送」や「自動運転バス」、「スマートストア」などのICTシステムを実装。住民が生涯活躍でき、暮らしやすいスマートタウンの実現を目指している。その一環として、スマート端末を持っていない高齢者にタブレットを貸与する事業を実施、行政サービスのデジタル支援に寄与。昨年度からは、街の生涯学習施設である「ハレタかみしほろ」に、スマホ相談窓口「スマホロ」を常設。地元スタッフが、いつでも・何度でも・無料で相談に応じ、困りごとを解決。この取組はとても評判で、相談者は60,70代が大半だが80代の方(18%以上)も訪れる。今後も町内のデジタル支援の取組を継続していく。
■釧路市スマホ教室事業の取組について(講演要旨)
釧路市は、「スマートフォンの中に市役所がある」を基本理念に、行政手続の電子化など自治体DXを進めている。本市でも高齢者のデジタルディバイド対策が課題であり、そのため本スマホ教室事業を実施した。その取組にあたっては、地元のICT企業等によるコンソーシアムが主体となり、多様なステークホルダーを巻き込むことで、それぞれ得意分野での役割を発揮。講師には地域で活躍するデジタル人材を起用したり、まちづくりに関心のある若者や子育て中の女性にアシスタントとして参加してもらうなど、「住民、事業者みんなで進める釧路市のデジタル化」を実現した。高齢の受講者からは「孫のような学生さんとお話ができてとても楽しかった」との声もあり、コミュニケーション豊かなスマホ教室となった。
<関係報道資料>
◆「デジ活セミナー in 北海道」の開催− スマホ教室開催で地域デジタル化を促進 −
(令和5年7月20日当局報道資料)
https://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/2023/0720.html
<参考>
◆「デジ活北海道」ポータルサイト
https://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/D/ICT-digitalshien.html
◆北海道テレコム懇談会のホームページ
https://tele-kon.gr.jp/main/
◆高知県日高村まるごとデジタル
https://mirakuru-hidaka.tech/
◆スマートフォンお問合せ相談窓口「スマホロ」始めました!
https://kamishihoro-horology.com/living/5790/
◆釧路市スマートフォン教室運営等業務委託(報告書)
https://www.city.kushiro.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/503/04_sumaho.pdf