関西サイバーセキュリティ・ネットワーク事務局※1は、2023年12月16日(土)に大阪市内の会場及びオンラインで、サイバーセキュリティに興味がある学生等を対象に、セキュリティ人材の裾野を広げることを目的として「学校対抗CTF※2大会」を開催し、会場44名、オンライン269名の方にご参加いただきました。
冒頭、主催者を代表し、近畿総合通信局の菱沼局長が「我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足していると言われている中、人材育成の推進は重要であると認識しており、本日はこのように多くの方にご参加いただき大変嬉しく思っている。本イベントが皆様のサイバーセキュリティの知識向上や技術の研鑽に繋がれば幸い。」と開会の挨拶を述べました。
国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 副研究所長の井上 大介 氏に「サイバーセキュリティ研究への道 〜めざせ!何かの世界一!〜」と題して講演を行っていただきました。同研究所で研究・開発されたシステムであるNICTER(ニクター:サイバー攻撃をリアルタイムで大規模観測・分析するシステム)、DAEDALUS(ダイダロス:NICTERの観測結果を活用したアラートシステム)やNIRVANA(ニルバーナ:サイバー攻撃統合分析プラットフォーム)等における、実際のネットワーク観測の様子を紹介いただきました。井上氏は、自身の体験を交えながら「学生のうちに、どんな分野でもいいので世界一を取れるよう努力してほしい。世界一を取ると新たな景色が見られ、また、今後の人生において他の分野を追究する際の糧になる。」と述べられました。
西日本電信電話株式会社 セキュリティプリンシパルの粕淵 卓 氏より、大阪大学CTFサークルWaniHackase及び株式会社マクニカを中心に作成された問題に加え、一部の参加者からも作問に協力いただいて、セキュリティにまつわるCTFの問題を出題していただきました。
本CTFでは、最大3人1組でチームを組み、初心者コース76チーム、上級者コース41チームがサイバーセキュリティに関する様々なジャンルの問題を解き、合計得点を競いました。競技中にはいくつかの問題について、その問題の分野を専門とされている大学の先生方等に解き方のヒントやコメントをいただき、参加者が手を止め熱心に聞き入る様子が見られました。
競技終了後、九州大学 教授 小出 洋 氏より本イベントの総括をいただきました。小出氏は「サイバーセキュリティを学ぶには実際に自分で手を動かし、体験することが重要。本CTFは他のプレーヤーと切磋琢磨しながら楽しく学べる有意義なイベントであった。」と述べられました。
その後、CTFの成績上位チームに菱沼局長より表彰状が送られました。
九州大学 教授 小出 洋 氏のアバター
表彰の様子
なお、初心者コース、上級者コースそれぞれの上位10チームは以下のとおりです。
(初心者コース 上位10チーム)
1位 国立大学法人電気通信大学:UECTF.A!Team(電気通信大学)
2位 にわとり!(HAL東京)
3位 MLK(灘高校・中学)
4位 Sendai-A0b@yama(東北大学)
5位 SLPKBIT(香川大学)
6位 TraceRoute(HAL大阪)
7位 WINC(早稲田大学)
8位 Pasonkoko Otakus Sanctuary-POSシステム-(神戸市立工業高等専門学校)
9位 行き当たりばったり(大阪情報コンピュータ専門学校)
10位 基盤教養(大阪大学)
(上級者コース 上位10チーム)
1位 各務チヒロ(筑波大学)
2位 チームおにぎり組合(筑波大学)
3位 チーム京阪奈(大阪大学OB)
4位 サイバージュエルファイターズ(大阪大学)
5位 毛ガニ2トン(立命館大学)
6位 TraP(東京工業大学)
7位 n4g0mi(岡山大学)
8位 ONsen(大阪大学)
9位 nobi(神戸大学)
10位 MezaseIchimoN(電気通信大学)
本イベントでは、2023年6月に開催した「西日本横断サイバーセキュリティ・グランプリ」と同様に、参加者が講演を熱心に聞いている様子や、チームメンバーと話し合いながらCTFの問題を解いている様子が見られ、サイバーセキュリティに対する関心の高さを伺うことができました。
近畿総合通信局では、今後も、他の関係機関と連携して、地域のサイバーセキュリティ対策の周知・啓発に取り組んでまいります。