関西サイバーセキュリティ・ネットワーク(関西SEC-net)事務局は、2025年9月3日(水)、サイバーセキュリティに興味がある学生を対象に「気づかぬうちに狙われている!?日常に潜む脅威 サイバーセキュリティ体験講座(入門編)」を開催し、大阪市内の会場とオンライン合わせて約60名の方々が参加されました。
ネットワーク上の脅威は、悪質化・巧妙化しており、サイバーセキュリティ人材の育成・確保が社会経済を支える上で重要な課題となっている現状を踏まえ、人材の裾野を広げることを目的に開催しました。
今回の講座では、特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)から講師をお招きし、サイバーセキュリティに関する基礎知識や、サイバー攻撃者が使う騙しの手口についてお話いただくとともに、身近にあるサイバーセキュリティの脅威についてハンズオン形式で学べる演習を行いました。
冒頭、主催者を代表し、近畿総合通信局の武本情報通信部長が、「本日の講義で取り上げる『フィッシング攻撃』は、情報処理推進機構で発表している『情報セキュリティ10大脅威』において、個人に対する事案として7年連続して選出されている。また、組織に対する攻撃ではランサムウェアによる事案が1位となっている。多くの被害が発生している一方で、我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足していると言われており、人材の育成は大変重要であると認識している。本日の体験講座が、サイバーセキュリティの知識向上や技術の研鑽につながり今後の就職活動や社会活動において役立てば幸い。」と開会の挨拶を述べました。

JNSA教育部会/株式会社ラック サイバー・グリッド・ジャパン 主席研究員 長谷川 長一 氏より、サイバーセキュリティの原則や基本的概念、スキルを習得するための学習方法等について、最新の情報を踏まえてご講演いただきました。

JNSA教育部会/東京電機大学 サイバーセキュリティ研究所 協力研究員/株式会社日立製作所 情報セキュリティリスク統括本部 主任技師 青木 翔 氏より、フィッシング攻撃をテーマに、攻撃者が実際に使用する被害への誘導方法や、攻撃の具体例等について、被害を防ぐための対策方法とともにご講義いただきました。

JNSA教育部会/NTTドコモビジネス株式会社 イノベーションセンター
Cyber Threat Intelligence Operations Architect 坪井 祐一 氏が講師となり、参加者自身のPCを使って、演習用の模擬サイトやメールを解析し、フィッシング攻撃に利用される手口や対策技術を学びました。

坪井 祐一 氏

演習の様子
セミナー後のアンケートでは、参加者の半数以上が、日常的にサイバーセキュリティに関するリスクを感じていると回答しており、「講話・講義を通じてサイバーセキュリティに関する基本を学び、ハンズオン演習で理解を深められた」といった感想が寄せられました。
また、「本講座を受講したことで、自身の今後の役に立ったと感じましたか」の質問には9割の方が今後の役に立ったと感じていただきました。
本講座を受講することにより、今後も発生していくと予想されるサイバー攻撃に対して、サイバーセキュリティ意識向上に寄与し、さらには日本全体をサイバー攻撃から守ることに繋がると期待しています。
近畿総合通信局では、今後とも関西SEC-netの活動に取り組み、他の関係機関とも連携してサイバーセキュリティ対策の周知・啓発に努めてまいります。