四国情報通信懇談会ICT研究交流フォーラム第7回技術セミナー

 総務省四国総合通信局は、平成25年3月1日(金曜日)に高知県高知市において、四国情報通信懇談会ICT研究交流フォーラム及び一般社団法人地理情報システム学会四国支部と共催で、「ICT研究交流フォーラム第7回技術セミナー」を開催しました。
 
 本セミナーは、ICTを利活用した防災への取組を紹介し、南海トラフ巨大地震など大規模災害への課題やICTへの期待、将来の展望などを検討することで、ICT研究開発の必要性を広く認識いただくとともに、セミナー参加の大学・企業等技術者により、研究開発への参加・協力・連携等の新たな展開も期待して開催したものです。
 
 セミナーでは、まず、独立行政法人情報通信研究機構テストベッド構築企画室長  山口  修治(やまぐち  しゅうじ)氏が、「JGN−Xの紹介と利活用事例(災害対策に資する技術実証など)」と題して、新世代通信網テストベッド(JGN−X)の構築環境、提供サービス、関連活動とともに、災害対策に適用したSDN技術実証などの研究・利活用事例等についての紹介がありました。
 
 次に、高知医療センター地域医療科長  澤田  努(さわだ  つとむ)氏が、「南海トラフ大規模災害に向けての医療情報の県外保全ならびに震災直後の急性期における薬剤処方情報の後利用について」と題して、東日本大震災で津波による甚大な被害に伴う医療情報の全喪失が大きな問題となったことから、南海トラフ巨大地震に伴う津波では同等の甚大な浸水被害が予想される高知県でのその対策に向けての診療情報県外全バックアップ(JGN−Xを活用)、ならびに災害時薬剤処方情報の後利用等のシステム開発について発表がありました。
 
 その後、国土地理院四国地方測量部防災情報管理官  錦  輝明(にしき  てるあき)氏が、「ICTとGISを用いた防災に関する国土地理院の取り組み事例紹介」と題して、防災に役立つ地理空間情報を「防災情報チェックリスト」として国土地理院のコンテンツ等が紹介されました。
 
 さらに、高知工科大学システム工学群教授  甲斐  芳郎(かい  よしろう)氏が「並列プロセッサとGISを用いた津波被害シミュレーション」と題して、内閣府の想定する南海トラフ巨大地震による津波が高知県沿岸各地にどのように遡上していくのかをスーパーコンピュータを用いて解析しアニメーションにて結果を表現することによる地域防災に資する試みについて紹介がありました。
 
 最後に、高知工科大学システム工学群教授  高木  方隆(たかぎ  まさたか)氏をコーディネーターとし「南海トラフ巨大地震への対策とICTの展望」をテーマに、情報通信研究機構  山口  修治(やまぐち  しゅうじ)氏、高知医療センター  澤田  努(さわだ  つとむ)氏、国土地理院  松田  雅志(まつだ  まさし)氏、高知工科大学  甲斐  芳郎(かい  よしろう)氏及びICT研究交流フォーラム代表幹事  福本  昌弘(ふくもと  まさひろ)氏によるパネルディスカッションがおこなわれました。
 
 セミナーには、高知県内外から78名の参加があり、地震災害に関心の高い地域で最新の情報を共有する機会となり大変有意義なセミナーとなりました。 

講演の様子

パネルディスカッションの様子
 

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