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「オープンデータセミナーin高松」を開催
≪オープンデータの意義及び先進取組事例を紹介≫

 四国総合通信局及び四国情報通信懇談会は、平成26年5月14日(水)に香川県高松市e−とぴあ・かがわ BBスクエアにおいて、「オープンデータセミナーin高松」を開催しました。本セミナーは、オープンデータの実現により、民主導で多様なアプリやサービスが提供されることで、地域の活性化に貢献することが期待されている中、オープンデータの意義について解説するとともに、先進的な地方公共団体の取組事例を紹介し、四国におけるオープンデータの実現と活用の推進を図ることを目的に開催したものです。

写真:セミナー会場の様子

セミナー会場の様子

 最初に、(株)三菱総合研究所から主席研究員 村上 文洋(むらかみ ふみひろ)氏を講師にお迎えし「オープンデータは社会を変えるか―私達が今、行うべきこと―」と題した基調講演をいただきました。東日本大震災から学んだ教訓や課題、先行的に取組を実施するイギリスを含む欧米の動向、我が国の電子行政オープンデータ戦略における各省の取組、その他様々な活動団体の事業内容やデータを共有、利活用するためのルールとなる「CC−BYライセンス」の特徴などが紹介されました。
 また、オープンデータを推進するためには、急増するデータにおける公開範囲のルール化など社会的コンセンサスが必要であり、著作権処理やライセンスの明確化、入手しやすいデータの整備、複数データの組み合わせを可能とする標準化等の課題があり、同じ目標を目指して関係組織が対立せず、誰もが情報発信者になれる自分事として課題解決に取り組むことが大切であると述べられました。

写真:(株)三菱総合研究所村上 文洋(むらかみ ふみひろ)氏

(株)三菱総合研究所
村上 文洋(むらかみ ふみひろ)氏

 続いて、地方公共団体から2名を講師に迎え、それぞれの地域で取り組む先進的な事例を御紹介いただきました。

 1つ目の事例紹介では、福井県鯖江市 政策経営部情報総括監 牧田 泰一(まきた やすかず)氏より「リンクトオープンデータの取組 データシティ鯖江」と題して、鯖江市の概要、ITをメガネ、繊維、漆器に続く4番目の産業にするため、市民協働によるまちづくりを目指すきっかけとなった市民主役条例が紹介されました。
 また、地域活性化プランコンテストや国際大会体操など、市民が公共の担い手となる全国でもまれな新しい公共事業や、公開データの活用から作られたアプリケーションとして、リアルタイムな運行状況を地図上で確認できる「つつじバスロケーション」やWEBアプリコンテスト最優秀作品となった消火栓を検索できる災害対策アプリ「タイムマシンさばえ号」なども紹介されました。
 今後、社会の発展を目指した取組の中でオープンデータの整備が必要な時代になることを様々な取組を通じて示していくことが大切であり、市民の声を受け入れ行政も変わりながら前進していくことが大事であると述べられました。

写真:福井県鯖江市 政策経営部 情報総括監 牧田 泰一(まきた やすかず)氏

福井県鯖江市 政策経営部 情報総括監
牧田 泰一(まきた やすかず)氏

 2つ目の事例紹介では、千葉県千葉市 総務局次長(CIO補佐監)三木 浩平(みき こうへい)氏より「千葉市が取り組むビッグデータ/オープンデータ施策群」と題して、公共分野における現在及び今後のデータ活用例や、プロアクティブ(市民と市役所が相互に能動的に関わっていく)な街づくりを目的とした市民協働型事業「ちばレポ」の紹介がありました。ICTを活用し市民と協働で様々な課題解決に取り組もうとする新たな仕組みづくりにおいては、街の課題を意識・共有し、継続して参加するインセンティブを高めていくことが大切であると話されました。
 また、自治体間連携事業の一つである「4市協議会」について、よりニーズの高いデータの整備、効率的な利活用実現を目指したアイディアコンテストが紹介され、応募件数の拡大や企業からの発想提案等、複数の自治体で取り組むメリットや入賞作品が実用化される事例の紹介がありました。

写真:千葉県千葉市 総務局次長(CIO補佐監)三木 浩平(みき こうへい)氏

千葉県千葉市 総務局次長(CIO補佐監)
三木 浩平(みき こうへい)氏

 本セミナーには約100名が参加され、取組を進めていく上での意識問題、組織の内部調整等で苦労された点や情報モラルに係る対処方法などの質問、今後予定されている課題抑制型事業「健康づくりサービス」アプリケーションの全国普及要望なども出され、オープンデータの意義、今後の利活用に向けて大切な鍵となるポイントなどについて認識を深めていただく機会となりました。
 四国総合通信局では、今後もセミナーや研修会等の開催を通じ、オープンデータの実現と活用の推進を図って参ります。(総務部 総務課)

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