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「海上交通の安心・安全に関する記念講演会」を開催

 四国総合通信局及び全国船舶無線協会四国支部は、平成26年5月23日(金)にピュアフル松山において、情報通信月間参加行事の記念講演会として「海上交通の安心・安全に関する記念講演会」を開催しました。本講演会は、船舶の安心・安全な社会づくりを目指して、電波法及び海洋分野における新しいシステムを紹介し、電波の有効利用を促進するために開催されたものです。

 海上保安庁 警備救難部 管理課 運用指令センター通信統括官 安藤 実(あんどう みのる)氏を講師に迎え、GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)の現状について御講演いただきました。

写真:安藤 実(あんどう みのる)講師

安藤 実(あんどう みのる)講師

 まず、海上保安庁業務概要として、海上保安庁の勢力・業務内容(治安の確保、国境警備、海難救助、海洋環境の保全、海上防災、海洋調査、海上交通の安全確保、国際連携・協力)、本庁運用指令センターの役割の説明がありました。

 次に、118番緊急通報による情報入手における船舶海難時のオペレーションや、衛星を利用したGMDSSによる遭難警報受信時のオペレーション、船位通報制度(JASREP)によるオペーション、2004年から運用を開始した船舶保安警報(SSAS)受信時のオペレーション、NAVTEXによる海上安全情報の提供についての説明がありました。

 続いて、GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)について、GMDSSの構成やシステムの詳細について説明いただきました。GMDSSの構成は、大きく捜索・救助の通信(コスパス・サーサットシステム、インマルサットシステム、中波、短波、超短波システム)と、海上安全情報の提供(NAVTEX放送、インマルサットEGC放送)の二つに分けられます。中でも、コスパス・サーサットシステム(GMDSSの中核となる人工衛星を利用した遭難警報伝達及び位置確定システムで、海難発生時において、迅速な捜索救助活動を支援する目的で設立されたもの)やNAVTEX(沖合300海里程度までの沿岸域を航行する船舶向けに緊急な安全情報を、一定の送信スケジュールに従い、提供するシステム)については、より詳しく説明いただきました。

 最後に、遭難警報の現状と、誤発射についての説明がありました。まず、2013年にコスパス・サーサットシステムにて取り扱った遭難警報のうち、誤発射率は94.3%であったこと、中でも、アジアエリアに誤発射率が高かったということが述べられました。こうした誤発射を防ぐための対策の一つとして、平成23年3月1日、違反した場合は罰金に処するといった内容の電波法改正が行われました。日本での誤発射は少なくはなってきていますが、各国でも誤発射を防ぐためにしっかりと対策していく必要があることが述べられました。

写真:講演会の様子

講演会の様子

 本講演会には約40名が参加され、海上交通の安全を守るために、電波を有効利用した迅速・確実なシステムの確立の重要性について考える機会となりました。

 四国総合通信局では、今後もセミナーや研修会、講演会等の開催を通じ、海洋分野における電波の有効利用の推進を図って参ります。(総務部 総務課)

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