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4K・8K推進政策と今後の展開
≪「とくしま 4Kフォーラム 2014」に参加≫

 平成26年6月15日(日)から20日(金)の間、徳島県徳島市において次世代高画質テレビの規格、技術・映像コンテンツに関する情報を発信する場として「とくしま 4Kフォーラム 2014」が開催されました。機器展示に始まり、県内外の放送会社、製作会社、メーカーなどから4Kの取組を実践している業界有志の方々を講師に招き、4Kの今とこれからについて多方面の角度から講演会・セミナーが開かれました。

 総務省では、平成25年7月に公表した「ICT成長戦略」において放送サービスの高度化を掲げ、次世代放送システム(4K・8K、スマートテレビ)の早期実現を推進しております。本フォーラムでも、総務省大臣官房審議官(情報流通行政局担当)南 俊行(みなみ としゆき)による「4K・8K推進政策と今後の展開」と題した基調講演がありましたので紹介します。

写真:南(みなみ)大臣官房審議官

南(みなみ)大臣官房審議官

 最初に、放送サービスの高度化に関するこれまでの経過から「世界最先端IT国家創造宣言」が紹介され、政府のIT戦略上の位置づけや、メーカー事業者のコンセンサスを得て策定した世界でもはじめてであろうロードマップが示されました。オリンピックなどビッグイベントの度ごとに推進をPRするもので、その推進母体となるNextTVフォーラムは、大学、放送会社や通信メーカーなど構成員を85社に拡大しており、4Kのテクノロジーは放送分野のみならず教育、医療、産業など様々な業種において活用が広がりつつある現状が報告されました。

 続いて、6月2日より試験的放送(録画)が開始された「Cannel4K」について、全国をカバーする衛星に一般の方がチューナー接続すれば家庭のテレビで視聴できるようになり、世界で初めての取組となることが紹介されました。

 また、これまでの1.5倍とも言われる時間及び労力のかかる試行錯誤を繰り返すコンテンツづくりについては、国際競争の激しい枠での対応が求められることから、精度のスキルアップを目的とした総務省からのコンテンツづくりやテストベットに対する支援なども紹介されました。

 併せて、NetflixやAmazonなど海外のネット経由による4K配信の動きが紹介され、4Kならではの特徴や、一般ユーザーにおいても気軽に4K動画を楽しめるようになり、今後数年の間でテレビ受信機需要も50から60倍に増加し、5台に1台は大型(50インチ以上)の4Kテレビになっていくとの市場予測が説明されました。更には、高画質コンテンツの技術革新・実証は、大画面電子黒板や遠隔医療、防犯・監視カメラに使用するセキュリティ面など様々な分野において利活用の可能性があることが紹介されました。

写真:講演会場の様子

講演会場の様子

 今後は、4K・8K及びスマートテレビを美しく、おもしろくすることを一体的に推進していくことが高度化の意味するもので、ヨーロッパで有力な時差再生映像の提供アプリケーションサービスをはじめ、ハイライト動画提供、番組関連コンテンツ提供などハイブリッドキャスト対応テレビの充実したサービスの拡大が求められています。更には、一つのコンテンツを放送と通信の融合によるマルティデバイスで視聴する生活習慣が多くの方から求められていることが紹介されました。

 また、ケーブルテレビ業界の高度化への対応について、広告費のケーブルテレビによるシェアが新聞やラジオより非常に高いアメリカの事例が紹介されました。先進技術を取り入れ、自主チャンネルやネット配信などで放送するケーブル媒体で広報価値を見いだした力や広告収入を得ている現状は、ケーブルテレビの魅力でありお手本にもなるであろうと話されました。

 併せて、コンテンツ制作の面から、ケーブルテレビ業界における組織連携で取り組む「全国ふるさとコンテンツ配信プロジェクト」が紹介されました。日本のハリウッドは地元の放送局、ケーブルテレビであり、地域の良さを世界に向けて連携して発信することは意義あるものであり、クールジャパン戦略では地域の埋もれた文化など国際共同製作による取組を実施していることや、日本人の目線では不足する事項を、海外の方と共同で製作することにより補うことが可能となっており、4Kテクノロジーと海外の目線を取り入れたコンテンツ製作をブロードバンドの通信環境を活用して進めていただきたいとのお話がありました。

 基調講演には約40名が参加し、今後の取組に係る熱心な質問もありました。「地元放送局も地上波として様々な取組を実施しているが、帯域がないため中途半端になりがちなところがある。将来的には4K放送をしたいが総務省の今後の考え方は」の質問に対し、「地デジへの移行が終了した今の段階で全チャンネルを4Kにする絵は描けない状況であり、4K地上放送の技術基準も定められてない状況、また、技術の変化は10年先でなく、もっと早いかもしれない。現時点で媒体がなければネット配信からでもいいのでは、表現の仕方、そのトライアルは、様々な機会を捉えて早い内に対応・スキルアップすることも大切。」と述べられました。

写真:展示会場の様子1

展示会場の様子1

写真:展示会場の様子2

展示会場の様子2

 

写真:展示会場の様子3

展示会場の様子3

写真:展示会場の様子4

展示会場の様子4

 

 会場内では、最新の4Kプロジェクターによるミニシアターをはじめ、4Kの視聴コーナー、業務用ビデオカメラなどが展示され、臨場感あふれる次世代放送システムを体感することができました。(総務部総務課)

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