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「四国コンテンツ映像フェスタ2014表彰式」及び「四国コンテンツセミナーin徳島」を開催
≪著作権とコンテンツ発信を考える≫

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会及び四国情報通信協力会との共催で、平成27年2月26日(木)、徳島市あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)において「四国コンテンツ映像フェスタ2014表彰式」及び「四国コンテンツセミナーin徳島」を開催しました。

表彰式会場の様子

 

 「四国コンテンツ映像フェスタ」は、地域のデジタル動画コンテンツ制作者に発表の場を設けることにより、人材育成と地域コンテンツ(地域の情報を含んだコンテンツ)流通の促進を図ることを目的に、平成19年度から開催しており、今年で8回目となります。沢山の方々に積極的に御応募いただけるよう、昨年に引き続き「18歳未満の部」を設け、昨年5月29日から11月4日まで作品募集したところ、61作品の応募がありました。応募された作品は、昨年12月5日から本年1月9日までインターネット上で公開し、一般の方々に視聴と投票をしていただき、その中から高い評価を得た作品について、14名の審査委員が「創造性」、「技術性」及び「訴求力」の項目で厳正な審査を行い、最優秀賞、優秀賞、特別賞を決定しました。

 最初に、主催者を代表して、四国情報通信懇談会コンテンツ部会 白石 成人(しらいし なると) 代表幹事から、「毎年映像コンテンツに関する表彰を地方で開催するフェスタは全国的に見ても珍しい取組で、2012年から2014年までの最優秀作品から毎年「総務大臣奨励賞」を受賞する栄誉に輝いた性格も持っている。愛媛CATVが地域を素材とした自社制作番組をシンガポールが拠点となるCNA放送局に提供した際には、 東京や大阪の情報が沢山ある中で、愛媛の情報は見たこともなく大変興味を示され、今後、地方、地域を一つのテーマとしてコンテンツを制作することは、世界に向けた情報発信においてとても重要であり、PR活動を重ね、ますますの盛り上がりを期待したい。」と挨拶がありました。

 表彰式では、様々な想いが込められた受賞作品を上映した後、白石 成人(しらいし なると)審査委員長(株式会社愛媛CATV常務取締役)から表彰状が渡され、協賛団体である一般社団法人映像情報メディア学会、株式会社STNet、株式会社NTTドコモ四国支社からの副賞が、各賞の受賞者に贈呈されました。続いて、受賞者から受賞の感想をいただき、来場できなかった受賞者からのビデオレターを披露しました。

 その後、白石(しらいし)審査委員長から、「今回のフェスタでは、「ワンショット」部門など幅を広げて募集させていただいた中、プロの放送局の方、学校の放送部の方々や個人など、縦横に幅広いバラエティに富んだ作品が集まったことが印象的で、作品のクオリティの高さや作品にかける想いの強さが、見ている人にも感じさせることができた。今後もすばらしい作品を制作していただきたい。」と総評を受けました。

 また、第2部で講演をいただく蔦(つた)映像監督からも、「映像制作に重要な自分で行って撮影したエネルギッシュさが伝わる作品であった。今後の制作では、どのような映像が多くの方に見ていただき、シェアされるのか、世界の人たちに興味を持っていただける作品作りを目指し、オリジナリティを追求して取り組んでいただきたい。」と講評をいただきました。

 「四国コンテンツ映像フェスタ2014」受賞作品の発表(報道資料 平成27年2月26日付け)

「四国コンテンツ映像フェスタ2014」受賞者の皆様

 

 第2部では、「四国コンテンツセミナーin徳島」が開催され、映像コンテンツの制作と著作権について考える機会とするため、第一線で御活躍されている2名の講師をお迎えし、講演していただきました。

 最初に、香川大学 大学連携e-Learning教育支援センター四国 村井 礼(むらい ひろし)教授から、「コンテンツ制作と著作権 ≪近年の著作権法改正から≫」と題し、コンテンツの公開にまつわる著作権の基本と、「写り込み」などの近年における法改正のポイントについて紹介していただきました。

 「ネットメディアの普及やスマートデバイスの高機能化に伴い、特に10代から20代の若者を中心に動画コンテンツを手軽に制作しインターネット上で共有する時代になってきた。このような社会環境を反映して、近年では、「写り込み」に関する規制緩和が行われ、本来の対象物とは異なり背景として著作物が写っている場合、著作権者の利益を不当に害しないものであれば著作権侵害に問わないとすることとなった。一方で、「コピーガードキャンセラー」においては罰則が多く設けられ、私的使用目的であっても民事上違法となる。」など事例を基に紹介されました。

 また、クリエイティブコモンズなど、著作権者自身が自ら自由利用の意思表示を行う事例も増えており、コンテンツの作り手側における利便性の向上は、今後のクリエイティブ活動の活性化につながっていくことが話されました。

村井 礼(むらい ひろし)教授 御講演の様子
【講演資料】コンテンツ制作と著作権≪近年の著作権法改正から≫(PDF 1.7MB)PDF

 

 次に、一般社団法人ニコニコフィルム 蔦 哲一朗(つた てついちろう)映画監督から「映画と地域の結びつき」と題して、池田高校野球部の元監督・蔦文也(つた ふみや)の孫として生まれ、プロを目指し池田町でサッカーに明け暮れた高校時代までの生い立ちからはじまり、B級ホラーやこてこての恋愛ものを制作しゲリラ上映したことや、映画祭での井筒 和幸(いづつ かずゆき)監督との出会いから映画監督になるまでの東京工芸大学生活中のエピソードについて、写真を交えながら紹介していただきました。

 また、環境問題について取り組んだ作品「夢の島」が、フィルムフェスティバル観客賞を受賞したことをきっかけに、地元徳島を題材にした「祖谷物語−おくのひと−」の撮影に取り組んだこと、その裏方には、役者さんの宿泊手配、エキストラを集めていただいた観光協会、スタッフの食事を世話していただく婦人会、撮影シーンを助ける猟友会など地元の方々を交えた制作実行委員会の手助けをいただいたことなどや、「祖谷物語」は特に海外の方々に「日本にはまだこんな所もあるのか」と純粋に興味をもって視聴いただいたことなどが紹介されました。

蔦 哲一朗(つた てついちろう)映画監督 御講演の様子

 

 その後、会場を交えた意見交換を行いました。

 「見る人を画面に引きつける工夫について」との参加者からの質問に対し、「自分ならではのオリジナルが必要で、自分が創りたいものを追求し続ける意識が重要」とアドバイスいただきました。また、「BGMの利用約束や音声レベル基準について」の質問には「今回の改正は著作物流通の阻害をなくすことを目的とした規制緩和であり、これからの事例の積み重ねからガイドラインが明確にされるだろう。」。「著作権者が不明な場合の取扱いについて」の質問には「権利者不在の場合は供託制度を利用するケースが一般的である。」「絵コンテなど、制作スタッフ間において上手に意思疎通を図る方法」には「プロに依頼するほか、絵の上手な方に手伝ってもらう、併せて、言葉などで伝える能力も必要であるがスタッフと時間を一緒に過ごすコミュニケーションが意思疎通の上では大切である。」と回答いただきました。

 また、「地域の素材については地元の方々それぞれにいろいろな考え方があると思うが、どのように理解してもらうのか?」の質問に対しては「作り手の視点からしか映像は作れないと思う。人と野生動物の共存が望まれる中、有害鳥獣駆除という答えのない問題がある事実を映像で表現する価値観を共有したい、思いを伝えていくしかない。」「海外受けが良かった原因は?」、「映像美、力強さが伝わったと考えている。」など、今後のコンテンツ制作につながる積極的な質問も寄せられ、とても関心の高いセミナーになりました。

 最後に、村井(むらい)教授から「現場の方々から受ける著作権処理の質問は、答えがないよねと言うのが現実として多く、営利目的においてはしっかり処理をし、私的利用では沢山コンテンツを作ってみんながニコニコできればいいですね。」、蔦(つた)監督からは「今後も徳島祖谷を舞台にドキュメンタリーとか人形浄瑠璃の原作映画を作り地域の力になりたい。応援、よろしくお願いします。」とのコメントをいただきました。

意見交換会の様子

 

 四国総合通信局では、今後もデジタル動画コンテンツ制作者の育成と地域コンテンツ流通の促進を図るために、継続してコンテンツ映像フェスタやコンテンツセミナーの開催を予定しています。ぜひ多くの方々にコンテンツ映像フェスタへの御応募やコンテンツセミナーに御参加いただき、コンテンツによる地域からの情報発信などの活動に貢献していただけるよう関係機関と連携しながら積極的に取り組んでいきます。

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