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佐那河内村でICT有害鳥獣対策活用の公開実験を実施

 四国総合通信局は、平成28年6月9日、徳島県佐那河内村中央運動公園において、佐那河内村の協力を得て、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、株式会社四国日立システムズ及び株式会社サーキットデザインと協同で、ICT有害鳥獣対策活用の公開実験を実施しました。

 実験は、畑等の農作物に被害を及ぼすサルを効率的、早期に検知するため、周回飛行する小型無人機(UAS)によりサルに装着した首輪型発信機からの電波を上空から受信しての広範な監視及び移動体検知センサーのサル出没への応用等を検証するもので、県や市町村の職員を中心に35名の方が参加されました。
 最初に主催者を代表して、四国総合通信局 桑鶴(くわづる)無線通信部長と佐那河内村 森脇(もりわき)副村長が開催のあいさつを行いました。

 

主催者あいさつ

 続いて、当日実施する2つの実験内容の事前説明を行いました。

 実験1 小型無人機(UAS)の活用

説明者 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク総合研究センター
三浦(みうら)上席研究員

 

 
実験2 移動体検知センサーの活用

説明者 株式会社四国日立システムズ 営業本部 大西(おおにし)部長代理

 

 

 

UASの説明を聞く実験参加者

 

 

小型無人機(UAS)の飛行

 

 

移動体検知センサーの説明を聞く実験参加者

 

【実験成果のまとめ】
 実験1 小型無人機(UAS)の活用

  • 一般的な回転翼機(マルチコプター)よりも飛行時間の長い固定翼の無人飛行機を活用し、周回飛行しながら首輪型発信器の電波受信を試みました。
  • 首輪型発信器(実験用ダミー)の電波を上空で受信し地上へデータ伝送することに成功。
  • 現状のシステムでは、受信可能範囲は1km圏内でした。
  • 今回、限定された飛行空域であったため、2km以上離れたエリアに生息していた首輪型発信器(本物ニホンザル)の電波の受信には至りませんでした。
今後の活用に向けたポイント
  • 小型無人機に搭載可能な小型軽量で高利得アンテナ。
  • 限定された空域内においても信号検出可能な飛行方法。

 実験2 移動体検知センサーの活用

  • 5月31日から6月8日までの9日間、佐那河内村内のサルの通り道と思われる山間部の畑地に地権者の同意を得てセンサーを設置し、データを取得しました。
  • 録画された映像から、イノシシと思われる動物が確認できました。
  • センサーについては、北海道で畑に入るシカを感知し、光や音で追い払いが可能であることが実証されており、今回サルに応用可能か検証を行いました。しかし、サルは、季節により生息域を移動させ、データ収集期間が短期であったことから、サルの検知には至りませんでしたが、山間部においてもセンサーが正常に稼働することが実証されました。

 

移動体検知センサー設置の風景

 

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