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「四国コンテンツ映像フェスタ2016」上映審査会及び表彰式を開催

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会及び四国情報通信協力会との共催で、平成29年1月26日(木)に松山市において、「四国コンテンツ映像フェスタ2016」上映審査会及び表彰式を開催し、約60名の参加がありました。

 「四国コンテンツ映像フェスタ」は、地域のデジタル動画コンテンツ制作者に発表の場を設けることにより、人材育成と地域コンテンツ(地域の情報を含んだコンテンツ)の流通促進を図ることを目的に、平成19年度から開催している動画コンテンツを募集するコンテストです。
 今回のフェスタでは、「アマチュア部門」、「プロ・セミプロ部門」、「小・中学生部門」の3部門で作品募集を行い、四国4県から御応募いただいた全62作品についてWEB投票を実施。この投票結果を加味した上で、15名の審査委員が「創造性」、「技術性」、「訴求力」、「発信力」という4つの観点から厳正なる審査を行い、「最優秀賞」、「優秀賞」及び「特別賞」となる8作品を決定しました。
 また、このたび本フェスタが第10回目を迎えたことを記念して、「10周年記念賞」及び「オーディエンス賞」を設け、イベント当日にゲスト審査員による審査や参加者による投票で決定しました。

 作品の上映に先立ち、第一部では、エンジェルロード脚本賞にてグランプリを受賞し映画化した『瀬戸内海賊物語』や、昨年公開の愛媛・宇和島を舞台とした映画『海すずめ』など、四国と結びつきの深い映画の監督、脚本を手掛けられている愛媛出身の映画監督、大森 研一(おおもり けんいち)氏による特別講演がありました。
 はじめに、監督の近年の作品、『瀬戸内海賊物語』(2014年)、『ポプラの秋』(2015年)、『海すずめ』(2016年)のメーキング映像が上映されました。
 その後、大ヒット中の某アニメ映画をはじめとした日本の映画の現状について、70年代の洋画が邦画を上回る“洋高邦低”から、2006年頃には形勢が逆転し、以降“邦高洋低”の傾向が定着しつつある、とデータを交えて説明。映画の物語の中心となっている飛騨地方は、国内外からの来客で経済効果が期待されており、アニメやマンガ、映画などの作品の舞台となった地を巡る「聖地巡礼」は、外国人観光客の目的の一つにもなってきていることが紹介されました。
 日本映画が勢いのある中で、ご当地映画と言われる地域映画が急増している現状については、徳島県ロケの『眉山』、香川県ロケの『UDON』などを事例に挙げながら、来県者数の増加や知名度の向上なども含めた経済効果につながっていると話されました。
 また、ロケ地誘致による経済効果の大きさについて触れ、各自治体等が映像制作に対する支援などを行いながら、ロケ地の誘致合戦を展開していることが紹介されました。
 御自身の映画製作にあたっては、地域と連帯し、脚本にも気配りを込めるなど、映画を公開するだけでなく、自治体や民間との連動した展開をはかることが大切であると説明されました。
 昨年公開の『海すずめ』では、愛媛県の「えひめいやしの南予博2016」イベントや宇和島市の地域の祭りと連動してイベント等を盛り上げながら作品をPRしたことや、民間との連携で、映画にちなんだ商品や、宇和島市に「海すずめ展望所」という公園ができたことなどが紹介されました。
 また、地域映画はたくさんの人を巻き込んで製作されるもので、製作を通じて地域の人同士の連帯感の強まりや、外部目線での新たな地域の魅力の発見、精神面での交流の深まりなど、経済効果以上に得られるものがある、と御自身の経験を踏まえて話されました。
 最後に、映画というアイテムは、劇場公開や国際映画祭への出品を終えた後にも、DVD化することで半永久的に残るものであり、地域特有の文化や伝統、精神性などを映像と音で永続的に伝えていくことができることが魅力、と語られました。
 来場者からは、制作者の思いを視聴者に伝える手法について質問があり、監督からは「テロップやナレーションなどを利用するのが近道な方法ではあるが、風景や周りの映像などから遠まわしに伝えていく方が視聴者の心に入っていきやすい。」とのアドバイスがありました。

大森(おおもり)講師

 

<第一部>特別講演の様子

 
 

 第二部では、「小・中学生部門」から1点、「アマチュア部門」から3点、「プロ・セミプロ部門」から4点、計8作品の上映審査会が行われ、審査には、本フェスタ審査委員長の白石 成人(しらいし なると)愛媛CATV常務取締役、山本 耕司(やまもと こうじ)四国大学 経営情報学部 メディア情報学科 教授、松本 創太郎(まつもと そうたろう)NHK松山放送局 放送部専任部長の3名を審査員に、そして大森 研一(おおもり けんいち)監督をゲスト審査員にお迎えしました。
 作品の上映とあわせて、制作者による作品紹介があり、学生からはインタビューに応じてくれた方の熱意に応えるよう制作にあたったことや、映像素材や撮影時間が少ない中で苦労して制作にあたった点、少ない予算でやりくりしながら制作にあたったことなどが報告されました。
 審査員からは、「タイトルの付け方が良く、興味をそそられる。」、「美味しそうに食べている映像があればさらにインパクトがあったのでは。」、「綿密に取材されている。」、「地域の魅力がうまく表現されている。」、「もう少しテーマを絞っても良かったのでは。」、「テロップの色や字体が工夫されている。」など、プロの視点からのコメントやアドバイスがあり、制作者は熱心に耳を傾けていました。

<第二部>上映審査会の様子

 

 第三部では、表彰式が開催され、上映された8作品の中から部門ごとに最優秀賞3点、優秀賞4点、特別賞1点が選ばれました。また、10周年を記念して、ゲスト審査員の大森(おおもり)監督が10周年記念賞となる1点を選定し、来場者の投票によりオーディエンス賞1点が決定されました。
 表彰式では、主催者である、四国総合通信局の佐藤 裁也(さとう たつや)局長から「最優秀賞」、同じく松田 和男(まつた かずお)情報通信部長から「オーディエンス賞」、四国情報通信懇談会コンテンツ部会 代表幹事の白石 成人(しらいし なると)株式会社愛媛CATV常務取締役から「優秀賞」及び「特別賞」、そしてゲスト審査員の大森 研一(おおもり けんいち)監督から「10周年記念賞」の表彰状が授与されました。
 また、協賛団体である一般社団法人映像情報メディア学会四国支部、株式会社STNet、株式会社NTTドコモ四国支社からの副賞が、各賞の受賞者に贈呈されました。
 「プロ・セミプロ部門」の最優秀賞、10周年記念賞、オーディエンス賞のトリプル受賞となった愛媛県立長浜高等学校の生徒からは、「人が優しい地域の魅力や良さが表現できた。」と喜びのコメントが寄せられました。

<第三部>表彰式の様子

 

 最後に、白石(しらいし)審査委員長から、「四国コンテンツ映像フェスタは、回を重ねる毎に進化しており、年々作品のレベルが上がってきている。今回は10回目、ということで、その間に映像のデジタル化が進展し、動画制作が身近なものとなってきた中、様々な個性溢れるコンテンツが制作・発信されるようになってきた。地域の魅力あるコンテンツの発信は地域の活性化にもつながっていく。今回の作品を見ていて、地域への深い愛情を感じられる作品がとても多かった。その思いを大切にして、これからも作品を制作し、発信する取組を続けていただきたい。」との総評がありました。
 四国総合通信局では、今後も関係機関と連携して、地域の魅力ある映像コンテンツが制作・発信されるよう、コンテンツ映像フェスタやセミナー等の開催に取り組んでまいります。

「四国コンテンツ映像フェスタ2016」受賞者及び関係者

 
<参考>
「四国コンテンツ映像フェスタ2016」入賞作品の発表(平成29年1月26日付け 報道資料)

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