年頭あいさつ

 新しい年、2015年を迎えることができました。
 皆様には、平素より、総務省の情報通信行政に格段のご理解・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、2008年をピークとして我が国の人口減少が進む中、「まち・ひと・しごと」の創生が、我が国全体の課題となっています。 情報通信は、この「まち・ひと・しごと」の創生に大きな役割を果たすものであり、総務省では、情報通信による地方創生の成功事例の掘り起こしを進め、3月頃に「地域情報化大賞」の発表・表彰を予定しています。
 信越総合通信局としては、信越管内における成功事例を全国にご紹介し、その普及展開を促すとともに、他の地域における成功事例を咀嚼して信越地域にご紹介し、その展開を促す触媒機能を果たしていければと考えております。
(写真) 信越総合通信局長 秋本芳徳

 信越総合通信局長
    秋本 芳徳


 また、「まち・ひと・しごと」の創生には、安心・安全な環境の整備が不可欠であります。
 私自身が当地に着任した昨夏以来のごく短期間のうちにも、7月に南木曽町の土砂災害、9月に御嶽山の噴火、11月に長野県神城断層地震と重大な災害が発生しました。
 非常時には、情報の迅速かつ円滑な共有が求められます。
 そこで、非常時において情報の発信者となる自治体の皆様と、情報の伝達者になる放送事業者・通信事業者の皆様との間の情報配信を効率的に行う「Lアラート(公共情報コモンズ)」の導入の促進につきまして、関係者の皆様とともに引き続き取り組んでまいります。
 また、消防・救急無線や防災行政無線のデジタル化は、安心・安全の確保という観点からも、消防・防災活動の高度化という観点からも、重要であります。
 特に、消防・救急無線については、「周波数割当計画」(総務省告示)に基づき、2016年5月末までにアナログからデジタルに移行することが求められており、デジタル化は、実質上、2015年度までに行われる必要があります。
 そこで、デジタル化の進捗状況の把握や各種ご相談への対応を引き続き行っていくとともに、必要に応じ、「周波数有効利用促進事業」による自治体への財政支援を行ってまいります。
 以上に加えて、非常時に有用なAMラジオの難聴を解消するため、総務省では、AM放送のFM補完について、補助事業等による支援を行っています。

 さらに、信越総合通信局においては、FM放送の放送区域の確保と改善を図るため、送信所までの番組伝送をVHF帯の電波で行う技術の調査検討を進めています。
 この技術的条件がまとまり、制度が整えば、送信所までの番組伝送をより安い費用で行うことが可能となり、全国のFM放送にとって朗報になるものと期待しています。

 子どもたちが安心・安全にインターネットを使うことができるよう、リテラシーを向上させることも、関係者による継続的な取組が求められる課題であります。
 通信業界や放送業界とともに総務省が2006年から取り組んでいる「e-ネットキャラバン」について、信越管内では、2014年4月から11月末までに既に110件の講座を実施しました。前年度対比で41件増(1.6倍)になります。
 一口にインターネットリテラシーと言っても、スマートフォンの普及に代表されるように、技術や機器の進展に応じて、次々に新しい課題が発生しており、関係者による腰の据わった取組が求められます。
 そこで、信越総合通信局では、「e-ネットキャラバン」に関する管内の実働講師の数を大幅に増やして、講座実施に対するニーズに応えていくこととしています。

 結びに、地上放送のデジタル化について申し上げます。
 3月末にはいわゆる衛星セーフティネットが終了し、地デジ難視未完了世帯に対する恒久対策も3月末をもって終了します。
 最後まで視聴者への丁寧な対応と、できる限りの前倒し、そして綿密な進捗管理を、関係者の皆様にはお願い致します。
 併せて、ケーブルテレビ業界の皆様にご対応頂いてきたデジアナ変換サービスも、3月末をもって終了の予定です。
 視聴者が「知らなかった」ということのないよう、引き続き周知の徹底をお願い致します。
 2001年以来取り組んできた地上放送のデジタル化の総仕上げになります。
 関係者の皆様には、引き続きのご協力を頂き、大団円を迎えたいと考えています。

 以上をもって、簡単ながら、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
 2015年も、どうぞよろしくお願い致します。

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