東北総合通信局は、令和8年10月14日(水)、仙台市内において、電波利用推進東北フォーラム等との共催により、「電波利用推進セミナー in 仙台」を開催しました。
本セミナーでは、AIをネットワークの中核に組み込む「AIネイティブ」時代を見据え、Beyond 5G/6Gの実現に向けた電波政策、研究開発の最新動向及び未来社会を支える先進的なワイヤレス技術について紹介するとともに、「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE※1)」及び「持続可能な電波有効利用のための基盤技術研究開発事業(FORWARD※2)」の研究成果を発表しました。また、展示会場ではSCOPE及びFORWARDの研究成果の展示や研究開発に関する相談会を実施しました。
本セミナーは、これらの取組を通じて、産学官の交流促進及び共同研究の創出を図るとともに、東北地域における次世代ワイヤレス技術の研究開発の推進と人材育成に資することを目的として開催したものです。
当日は、会場及びオンラインを合わせて140名あまりの方々にご参加いただきました。
※1 Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme
※2 Fundamental Technologies for Sustainable Efficient Radio Wave Use R&D Project
【講演会場の様子】
最初の基調講演では、総務省 総合通信基盤局 電波部 電波政策課長 小川 裕之が、Beyond 5G/6G時代に向けた電波需要の増大を踏まえ、電波資源の拡大・有効利用に向けた研究開発の動向や、総務省が進める電波政策の方向性について紹介し、次世代通信基盤の実現に向けた取組と今後の展望について説明しました。
【総務省総合通信基盤局 電波政策課長 小川 裕之】
次の基調講演では、国立研究開発法人情報通信研究機構Beyond Connectivity研究開発推進ユニット ユニット長 寳迫 巌氏から、ミリ波・テラヘルツ波無線の物理特性がこれまでの無線通信とは大きく異なることについて説明がありました。こうした特性により、テラヘルツ波無線が単なる「つながる」手段を超え、AI時代のデジタルインフラにおける「情報の血管」として機能する可能性や、従来のインフラとミリ波・テラヘルツ波無線を融合し、将来不可欠となるAIインフラを構築することの重要性についてご講演いただきました。
【情報通信研究機構 ユニット長 寳迫 巌氏】
次に、FORWARDの成果発表では、東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻 教授 田中 秀治氏から、次世代移動体通信の周波数帯としてポテンシャルの高い準ミリ波帯のキーデバイスとなる弾性波デバイスと、その高いパワーハンドリング能力の実現に向けた研究成果についてご発表いただきました。
【東北大学 教授 田中 秀治氏】
続いて、SCOPEの成果発表では、岩手大学大学院総合科学研究科 教授 本間 尚樹氏から、マイクロ波無線電力伝送(MWPT)において、人体や既存無線システムへの影響を抑えた高効率給電技術をご紹介いただき、安全なワイヤレス給電の実現に向けた研究成果についてご発表いただきました。
【岩手大学 教授 本間 尚樹氏】
展示会場内では、東北大学、岩手大学、秋田県立大学及び東北学院大学の4大学から参加した7出展者により、東北管内で採択されたSCOPE及びFORWARDの課題をはじめとする研究成果のブース展示と、研究開発に関する相談会を実施しました。弾性波デバイス、スピントロニクスセンサ、マイクロ波無線電力伝送、電波吸収体、液晶メタサーフェス、VHF帯マグロ解凍用電波オーブン、LoRaを活用した鳥獣センシングなど、多彩な研究成果が紹介されました。会場では、実物展示やデモンストレーションを交え、研究者と参加者との間で活発な質疑や意見交換が行われました。
東北総合通信局は、引き続き、電波を活用した技術の研究開発支援や、その成果の発信を通じて、地域課題の解決や地域の活性化に向けた取り組みを推進してまいります。
【展示会場の様子】
連絡先
東北総合通信局
無線通信部電波利用企画課
TEL 022-221-0657