近畿総合通信局は、「スマートフォン時代に対応した青少年のインターネット利用に関する連絡会(スマホ連絡会(近畿))」※1とともに、2024年6月16日(日)、青少年のインターネット・リテラシー向上を目的としたシンポジウム「近畿スマホサミット」をオンライン形式で開催し、90名の方にご参加いただきました。
開催に先立ち、近畿総合通信局の菱沼宏之局長より、「デジタルネイティブと言われる中高生は、生まれたときからインターネットが身近にあり、新しいデジタル技術を積極的に活用する世代である。だからこそ自発的に問題意識を持って、安全な利用に向けて取り組んでいく、見直していくことが必要である。今回の近畿スマホサミットが、皆様のICTリテラシーの向上に役立つことを祈念する。」と挨拶しました。
インターネット利用の低年齢化やオンラインゲームにおけるボイスチャットを利用したトラブルの増加、近年のSNSに関連した青少年の事件が本人や世の中に及ぼす影響についてお話をいただきました。
ご参加いただいた学校の生徒さんより、インターネットの適切な利用について、子どもたちが実際に利用しその経験から“主体的”に考え、安全な利用のための心構えやルールの策定などを目指した学校での取組を紹介していただきました。
神戸市立太田中学校からは、3年目を迎えた学校の情報モラル育成プロジェクトの取組(車椅子ルートマップの作成、いじめ防止CM作成、地域を清掃しながらのGPSラン&アート体験)を紹介いただき、活動を通して、どんな活動をするか、どんな気持ちでするかで結果が変わってくるので、今後も学校全体で積極的に取り組んでいきたい、と発表いただきました。
京都市立栗陵中学校からは、メディアに関する取組として、例えば家族と協力して夜10時以降はスマホを使わないといった目標を立てるメディアコントロールデーや、ネット啓発の劇や動画※2の作成等について発表いただきました。
開智高等学校からは、先生と生徒が双方向の意見交換の中でより良いルールを探すことを目指して今年度に結成された情報モラルワーキンググループの取組(先生へのアンケート、講演会の開催)について発表いただきました。
開明高等学校からは、スマートフォンの利用時間に関する調査において、利用時間が減少するたびに独自に設定した段位へ昇格する仕組みにより自主的に取り組んでもらえたため、学校全体で平均利用時間が減少した、と発表いただきました。
関西学院高等部からは、生徒により組織されたICT委員会が実施した学内アンケートの結果や、ICT委員会の活動(全校生向け勉強会、先生・保護者向けSNS懇談会、ネットキャラバン)、他校との交流等、今後の展望とともに生徒のネットリテラシーの更なる向上を図っていきたい、と発表いただきました。
各学校の取組発表、提言を基に、生徒・大人それぞれの視点からインターネットの適切な利用や活用方法等についてディスカッションを行いました。
「時間は有限、使い方は無限」であり、学校生活、人生という限られた時間の中で私たちはどのように生きていけばよいのか、特に、すぐ身近にあるインターネットをどのように使い、豊かな人生をどのように作っていけばよいのか、個人個人が考える良い機会になりました。
閉会にあたり、本シンポジウムにご協賛いただいた、一般財団法人マルチメディア振興センター 北條 仁康 専務理事より、「(今回の中高生による学校での取組紹介について)ネットの利用を真剣に考えるだけではなく、しっかり発信して、社会に参画しようと思っているのが素晴らしい。少しずつ社会を変えていけると思うので、取組を広げていってほしい。」とご挨拶をいただきました。
近畿総合通信局では、今後も関係団体と連携し、青少年のインターネット・リテラシー向上に取り組んでまいります。