四国総合通信局では、平成27年2月17日、高知県四万十町において、同町及び高知県の協力を得て、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社及びソフトバンクモバイル株式会社と協同し、災害等により携帯電話基地局が利用できない場合の代替手段としてフェムトセル基地局を利用して携帯電話回線を構築する全国初の公開実験を実施し、地元住民、マスコミ及び実験関係者等90名を超える方々が実験に参加しました。
実験構成イメージ
実験の趣旨、実施場所等については、報道発表を御参照ください。
実験の内容として、次の3つの異なる経路のフェムトセル基地局を接続する伝送路を施設し、それぞれの経路において通話やメールをすることにより、フェムトセル基地局による災害時応急復旧への運用可能性を確認しました。
各伝送路の特徴は以下のとおりです。
実験地域内に設置された7台のフェムトセル基地局をメッシュネットワークで接続し、衛星回線及び光ファイバを経由してインターネットに接続します。
屋内に設置されたフェムトセル基地局
フェムトセル基地局の伝送路として活用されたNICT耐災害メッシュネットワーク機
小型車載地球局(超高速インターネット衛星きずな(WIDS)と通信するための車両)
当局の非常用電源車も参加し電源供給を実施
実験に使用した技術の説明パネル
実験参加者の様子
住民参加者による通話の様子
フェムトセル基地局の伝送路として飛行させた無人航空機
参加者からは、通話エリアが狭いが災害時に非常に役立つのではと感じた、四万十町以外にも不感地域が多くあるので通常時でも活用したいなど、体験して頂いたいずれの伝送経路も良好に通信が可能であるとの評価がされ、衛星回線固有の若干の通話遅延はあるものの、通話品質やインターネットへの接続も問題なく行われました。
【実験結果のまとめ】
これにより、衛星回線経由であってもフェムトセル基地局の接続は可能であることが確認され、災害時における携帯電話の早期の復旧への活用が期待されます。
また、木造家屋内に設置されたフェムトセル基地局は、設置家屋周辺でも利用可能であったことから、限界集落における携帯電話エリア整備への応用の検討が期待されます。
通話可能範囲測定結果の一例
なお、実験報告は別途掲載することを予定しています。