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加入電話に相当する光IP電話をユニバーサルサービスの対象に追加(2011年)

移行期におけるユニバーサルサービス制度の在り方(情報通信審議会答申(2010年12月)の概要)

2010年12月の情報通信審議会答申では、「ブロードバンドが全国に普及するまでの移行期におけるユニバーサルサービス制度の在り方」について、ユニバーサル制度によるメタルの加入電話の提供義務が、光ファイバ整備に抑制的な影響を与える可能性を回避するため、ユニバーサルサービスの対象に「加入電話に相当する光IP電話」を追加し、二重投資等を回避できるようにすること等が適当とされました。同答申の概要は、次のとおりです。

1.移行期におけるユニバーサルサービス

 通信品質については、加入電話との同等性が確保されているOAB〜J番号を使用するもの。

 料金については、NTT東西の加入電話の料金水準を勘案した範囲のもの。

  • 少なくとも、現行の加入電話の住宅用基本料額の最高額の範囲内(1700円/月以下)で提供されるのであれば、ユニバーサルサービスとなりうる。
  • 自治体IRU地域の場合、現行の加入電話の住宅用基本料額の最高額と比較して1割に満たない範囲の違い(1700円/月×1.1=1870円未満)であれば、妥当な範囲。

 以上の条件を満たす光IP電話を提供する場合には、メタルの加入電話の新規提供を行わなくてよい

2.光IP電話のコストに係る補填の要否

 当面、光IP電話の補填は行わず、従来どおり、加入電話の維持コストを補填

  • 当面、ユニバーサルサービスとしての光IP電話の対象は自治体IRU地域が想定され、現状では対象地域が限定。
  • 自治体IRU地域は、補助金等を受けた自治体により設備構築が行われ、サービスの提供が行われている実態。
  • 光IP電話をユニバーサルサービスの対象としても、当面は、加入電話の維持が引き続き必要。

3.「光の道」実現後のユニバーサルサービス

 「電話」を前提とした制度から、「ブロードバンド」を念頭に置いた新たな制度の枠組みが必要。

  • 「電話」を前提とした「移行期」までのユニバーサルサービスとは質的に異なり、基本的な考え方についても大きく変更が必要。
  • 現行のNTT法を前提とした「電話」の維持・確保の制度から、多様な事業者によるサービスの提供を前提とした「ブロードバンド」の維持・確保の制度への転換が必要。 

光IP電話のユニバーサルサービス化に関する関係省令の改正の概要

2010年12月の情報通信審議会答申「ブロードバンドが全国に普及するまでの移行期におけるユニバーサルサービス制度の在り方」における提言を踏まえ、これを措置するための関係省令の改正(「電気通信事業法施行規則等の一部改正」)について、2011年1月に情報通信行政・郵政行政審議会に諮問し、同年3月に答申を受け、同年4月27日に公布・施行しています。改正省令の概要は、次のとおりです。

1.加入電話に相当する光IP電話の範囲
 電気通信事業法施行規則第14条第3号関係

以下の1〜4を満たす光IP電話をユニバーサルサービスの対象とする。

  1. 加入電話を提供する者が提供する電気通信役務であること
  2. 0AB〜J番号を使用する音声伝送役務であること
  3. 当該電気通信役務の用に供される端末系伝送路設備のすべてが光伝送用であるもの(※1)
  4. 基本料金の額が次のいずれかであること(※2)
    • (1) 適格電気通信事業者(NTT東西)が提供する加入電話の住宅用基本料額の最高額(1700円)を超えないものであること
    • (2) 自治体IRU地域においては、適格電気通信事業者(NTT東西)の提供する加入電話の住宅用基本料額の最高額(1700円)に 当該額の1割に相当する額を加えた額(1700円×1.1=1870円)未満であること
    • (3) 当該光電話役務の提供区域における当該電気通信事業者以外の者が提供する他の役務に係る事情、提供の方法等からみて、上記(1)又は(2)に相当するものとして別に告示で定めるもの

※1 FTTHとそれ以外の技術によるものを併せて一のサービスとして提供する場合は、大部分がFTTHである場合を除き、当該サービス全体を対象外とする。
※2 光IP電話の提供に当たって、他事業者の役務契約が必要な場合などは、これらのサービスの料金を合算した額とする。

2.光IP電話の提供方法等の報告
 電気通信事業法施行規則第14条の2関係

利用者が第14条第3号に規定する光IP電話の提供を受けるために、他事業者の役務契約が必要となる場合は、当該光IP電話を提供する電気通信事業者は、当該光IP電話の提供の方法、提供を行う区域等について、実施の30日前までに総務大臣に報告するものとする。

3.法第25条の提供義務との関係の明確化
 電気通信事業法施行規則第22条の2関係

  1. 法第25条第1項の基礎的電気通信役務の提供は、第14条第3号に規定する光IP電話を提供する電気通信事業者においては、当該光IP電話を提供すれば足りることとする。
  2. 基礎的電気通信役務の提供を、加入電話に代えて光IP電話により行う場合(光IP電話の提供により加入電話の提供を行わないこととする場合)は、当該光IP電話の提供区域(市町村等の単位)等について、あらかじめ相当な期間の前までに総務大臣に報告するものとする。

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