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高知市で「ICTを活用した防災技術に関するセミナー」を開催

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会ICT研究交流フォーラムとの共催で、9月26日(金)に高知市の高知新聞放送会館において、「ICTを活用した防災技術に関するセミナー」を開催しました。

 本セミナーは、ICTを活用した高知県における防災情報システムや海溝型巨大地震の即時把握技術等について紹介し、ICT研究開発の重要性を広く認識いただくとともに、四国におけるICT研究開発への参加・協力・連携等の推進を図ることを目的に開催したものです。

 セミナーでは、まず、国土地理院 測地観測センター 地震調査官 宮川 康平(みやがわ こうへい)氏が、「ビッグデータの活用による海溝型巨大地震の即時把握≪リアルタイム地殻変動データの解析技術による大津波予測への貢献≫」と題して、衛星測位技術を用いて全国約1,300箇所に設けられた電子基準点の変動データを解析することにより、海溝型巨大地震の地震像を瞬時に把握し、大津波を予測するシステムについてシミュレーション動画を交え解説がありました。

 

 2番目に、高知県危機管理部 副部長 橋口 欣二(はしぐち よしつぐ)氏が、「情報通信技術と自治体の災害対策」と題して、高知県における災害情報に関するシステムについて紹介した後、南海トラフ巨大地震に備えた危機管理体制について解説がありました。

 

 3番目に、香川大学 工学部教授 危機管理研究センター長 白木 渡(しらき わたる)氏が、「3次元バーチャルリアリティ技術を用いた災害状況再現・対応能力訓練システムの開発」と題して、東日本大震災を教訓に、災害時に必要なことは想定外の事態に直面しても適切に対応できる能力を身に付けることと説明され、3次元バーチャルリアリティ技術を用いた訓練システムの開発状況やその有効性について解説がありました。

 

 4番目に、高知医療センター ITセンター 情報システム室 北村 和之(きたむら かずゆき)氏が、「南海トラフ大地震から診療情報を守れ≪JGN−X基盤を活用した電子カルテのバックアップ技術≫」と題して、高知県の災害拠点病院を中心に13病院で組織されている高知県医療情報通信技術連絡協議会の概要と同会が実用化に向けて取り組んでいるJGN−X基盤を利用しての診療情報の県外バックアップシステムについての解説がありました。

 

 5番目に、九州テレコム振興センター(KIAI)主任研究員 中山 謙(なかやま けん)氏が、「防災業務へG空間/GIS技術をうまく適用するための取組み ≪ICT利活用推進の面からの取組みについて≫」と題して、G空間情報を災害時だけでなく平常時にも活用するための方策等について紹介されたほか、関係者全員でG空間情報を共有し、活用することの重要性について解説がありました。

 

 最後に、独立行政法人情報通信研究機構(NICT) テストベッド研究開発推進センター 研究マネージャー 井上 真杉(いのうえ ますぎ)氏が「JGN−X仮想化技術と耐災害情報通信技術への取り組み」と題して、東日本大震災時に携帯電話網をはじめとする情報通信インフラが十分に機能しなかったことを教訓に、災害時に頼りになるネットワークシステムの構築が急務であると話され、JGN−Xを活用した様々な研究事例や、NICTが開発した災害に強いネットワークシステムであるNerveNetについての解説がありました。

 

 本セミナーには、高知市内はもとより近隣の自治体からもICT研究開発に関心のある約80名の方々が参加され、ICTを活用した防災技術等について理解を深めていただくことができました。

 四国総合通信局では、今後もICT研究開発推進のため情報通信に係る最新技術の動向を紹介して参ります。

写真:セミナーの様子1

セミナーの様子1

 

写真:セミナーの様子2

セミナーの様子2

 

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