消費者保護ルール

2022年7月1日から電気通信サービスに関する消費者保護ルールが変わりました。

 2022年2月22日に電気通信事業法施行規則が改正され、次のとおり消費者保護ルールが見直されました(2022年7月1日施行)

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1.電話勧誘における説明書面を用いた提供条件説明の義務化

 電気通信サービスの契約時、電気通信事業者(その代理店も含む。)は、契約締結前に、サービスの提供条件の概要について、それを分かりやすく記載した書面を交付して説明する必要があります。
 その際、これまでは、利用者が「了解」した場合、書面の交付に代えて、ウェブ画面などの電磁的方法で説明したり、電話(口頭)で説明したりすることが可能でしたが、今後は、電話勧誘などにおいて利用者が電話で意思表示をする場合、利用者が求めるとき(※)を除き契約締結前の提供条件の概要説明において書面を交付することが義務化されました。

※利用者が「求める」理由が、(1)書面交付以外の方法を選択することで電気通信事業者等から利益の供与を受けられることである場合(例:「今、この場で申し込めば安くなる」と言われた。)や、(2)電気通信事業者の誘導に起因すると考えられるものである場合(例:代替的方法の利点のみ説明があり、書面交付の利点については説明がなかった。)を除きます
 なお、「利用者からの求めがあったこと」の説明責任は事業者側にありますので、電話勧誘を行う事業者においては、通話を録音しておくことを推奨します。

<電話勧誘における契約までの流れ(典型例として想定されるもの)>

  1. (1)電話勧誘によりサービス内容を口頭で説明。
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  2. (2)利用者が関心を示した場合、利用者の了解を得て利用者宅に書面を送付。
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  3. (3)利用者のもとに書面が到着後、改めて電話をかけ、利用者が書面を見ていることを確認しつつサービスの提供条件の概要を説明。
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  4. (4)利用者がその提供条件に納得した場合、契約。

2.利用者が遅滞なく解約できるようにするための措置を講じることの義務化

 災害やシステムトラブルなど予見しがたい突発的な事象が発生した場合を除き、電気通信事業者(その代理店も含む。)は、電気通信サービス(法人契約を除く。)を遅滞なく解約できるようにするための適切な措置を講じることが義務化されました。

<具体的な措置の例>

  • ウェブで解約できるようにすること。
  • オペレーターを十分に配置して電話により遅滞なく解約できるようにすること。
  • 解約の予約を行うこと。

<禁止される行為の例>

  • 電話により手続を行う場合、契約手続と比較して解約手続の電話が繋がりにくいこと。
  • 利用者が望まない引き止めを行うなど、利用者の意に反して解約を遅延させること。

3.解約に伴い請求できる金額の制限

 これまでは、一部の携帯電話事業者のサービスを除き、電気通信事業者(その代理店も含む。)は、違約金等を自由に設定できましたが、2022年7月1日以降に締結された契約(※)(法人契約を除く。)については、以下のとおり、解約時に利用者に請求できる金額が制限されます。

※2022年6月30日までに締結された契約や、その契約の更新契約、その契約の提供条件の範囲内で変更された契約、その契約の軽微な変更契約を除きます。

<請求できるもの>

  • (1)電気通信サービス及びオプションサービスの利用料
  • (2)電気通信サービス及びオプションサービスの違約金(サービスの月額料金(※1、2)が上限)
    • ※1「月額料金」とはセット割や学割など契約期間を通して適用される割引を考慮した金額。なお、当初半年間は無料といった期間限定割引は考慮しません。
    • ※2 大手携帯会社等が提供する主な移動電気通信サービスについては、1000円(税抜)とサービスの月額料金のどちらか低い方が上限となります。
  • (3)電気通信サービス及びオプションサービスの開設工事費等(※1)の残債
    (電気通信サービスの契約期間に応じて低減(※2)し、契約満了時にゼロとなる額)
    • ※1 引込線等に係る工事その他の作業(これに付随するものを含む。)に限ります。
    • ※2 例えば、24か月契約の電気通信サービスについて、10か月目にサービスが解約された場合、工事費等の(24-9)/24を請求できます。
  • (4)電気通信サービス及びオプションサービスの撤去工事費等
    • a)事業者都合によるもの: 電気通信サービスの契約期間に応じて低減し、契約満了時にゼロとなる額
    • b)利用者都合によるもの: 全額
  • (5)事業者変更のための手続費(利用者の便宜を図るためのオプション手続(※)に限る。)
    ※例えば、ウェブ対応が原則であるものの窓口でも対応する場合、その費用は請求できます。
  • (6)レンタル物品の使用料
    ※未返却・損壊の場合は、再調達価額を請求できます。また、返送費用が利用者負担となること自体は禁止されていません。ただし、いずれの場合も、その点が説明書面に明記されていることが必要です。
     なお、費用請求をする場合は、2022年6月30日までに物品毎の請求金額を含めその旨説明書面に追記し、利用者に事前周知している必要があります。7月1日以降に追記した場合は、不利益変更となり初期契約解除の対象となるほか、既往契約等であっても規制の適用除外にはなりません。
  • (7)その他、電気通信サービス及びオプションサービスの提供の対価と言えるもの
    ※ただし、請求可能額は上記(1)〜(6)に準じます。
  • (8)利用者の支払いが遅延した場合における法定利率による遅延損害金

<請求できないものの例>

  • 解約手数料(利用者の便宜を図るためのオプション手続の料金を除く。)
  • 事業者変更手数料(利用者の便宜を図るためのオプション手続の料金を除く。)
  • 工事費(実際に上記(3)(4)の工事が行われない場合に限る。)
  • レンタル物品返送料(利用者が他の返送手段を選べる場合を除く。)

消費者保護ルールの実施状況のモニタリング

電気通信事業報告規則改正及び監督の基本方針関係

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