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原因裁定の嘱託制度(法曹関係者向け)

1.制度の概要

 係属中の公害に係る被害に関する民事訴訟において、受訴裁判所が必要と認めたときは、受訴裁判所は、公害等調整委員会に原因裁定を嘱託することができます。
※当事者からの申立てでは行うことができません。

原因裁定嘱託制度とは、

(1) 係属中の民事訴訟において、受訴裁判所からの嘱託に基づき、

(2) 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭によって人の健康又は生活環境に被害が生じたとされる紛争について、

(3) 公害等調整委員会に属する、元裁判官、弁護士、医師、科学者、元行政官、研究者出身の委員のうち3名から構成された裁定委員会が、

(4) 委員会(国)の費用負担により、専門的知見に基づき法的因果関係について裁定をし、

(5) 受訴裁判所は、その裁定書を調査嘱託の結果(民訴法186条)又は書証として証拠化して利用できる制度です。

(参考)公害紛争処理法(昭和45年法律第108号)抄

第42条の32 公害に係る被害に関する民事訴訟において、受訴裁判所は、必要があると認めるときは、中央委員会[※公害等調整委員会]に対し、その意見をきいたうえ、原因裁定をすることを嘱託することができる。
2〜4(略)

2.嘱託が有効と考えられる場面

  • 当事者による因果関係の立証が不十分であり、そのまま判断を示すことが躊躇される場合
  • 当事者が鑑定人の費用を負担できなかったり、事案にふさわしい専門家が見付けられない場合

3.原因裁定嘱託の主な流れ

(1)受訴裁判所
 弁護士からの申出等をきっかけとして、受訴裁判所が必要と認めた場合、公害等調整委員会へ原因裁定を嘱託する。
(2)公害等調整委員会
 民事訴訟手続を基礎としつつ、職権主義的手法を活かしながら手続が進行。
 →手続を進めた結果、「裁定書」として判断を示し、受訴裁判所へ送付。
(3)受訴裁判所
 訴訟手続が進行(「裁定書」は、証拠としての活用が期待される。)。

原因裁定嘱託の手続の概念図

原因裁定の嘱託制度の主な流れ。1.受訴裁判所では、弁護士からの申出等をきっかけとして、受訴裁判所が必要と認めた場合、公害等調整委員会への原因裁定を嘱託する。2.公害等調整委員会では、民事訴訟手続を基礎としつつ、職権主義的手法を活かしながら手続を進行。手続を進めた結果、「裁定書」として判断を示し、受訴裁判所へ送付。3.受訴裁判所において、訴訟手続が進行。(「裁定書」は、証拠としての活用が期待される。)

4.これまで取り扱った原因裁定嘱託事件の例

5.参考資料

6.お問合せ先

原因裁定嘱託制度についてのお問合せ先

〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館
総務省公害等調整委員会事務局 総務課企画法規係
tel:03-3503-8591
fax:03-3581-9488
e-mail:kouchoi_atmark_soumu.go.jp
(「_atmark_」を「@」(半角)に置き換えてください。)

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