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【令和7年8月19日開催】「事業承継促進セミナー〜地域の未来を守る、まちの誇りを次世代へ〜」

【ご案内】

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令和7年8月19日(火)、総務省主催による「事業承継促進セミナー」をオンラインにて開催しました。事業承継促進をテーマに、全国の自治体・中間支援事業者等の多様な参加者が集って実施された当該イベントについて、当日の様子(各省庁からの施策説明・先進事例紹介・マッチング交流会)をお届けします。
 

【セミナー開催レポート】

第1部:各省庁による施策説明

中小企業庁、総務省から、「事業承継促進」に向けた施策の説明を実施しました。
・中小企業の事業承継・M&Aの推進(中小企業庁 事業環境部財務課)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/business_succession_support_measures.html
・事業承継等人材マッチング支援事業について(総務省 地域力創造グループ 地域政策課)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/tiikikigyouzinzai.html
 

第2部:先進事例のご紹介

第2部では、全国の自治体や中間支援事業者から、事業承継促進に関する先進事例が発表されました。それぞれの地域特性や課題に寄り添った取り組みが具体的に語られ、参加者の理解を一層深める内容となりました。
 
1. 事業承継促進事例(1):岐阜県郡上市
岐阜県郡上市からは、市・商工会・事業者で連携して取り組んでいる事業承継促進事例が紹介されました。
 
・過疎化の進展により小売業の廃業が続き、買い物弱者の増加が懸念されたことから、平成26年に郡上市商工会内に全国初となる事業承継支援センターを設立。市は補助金等で商工会の活動を後方支援。
・平成30年には、商工会が旧町村ごとに地域支援員7名を配置し、事業者を訪問して現場の情報集約を開始。地域支援員は行政や金融機関の退職者・業界団体の方などに委嘱。
・収集した事業者の情報をもとに商工会がワンストップで対応。事業承継のうち、親族内承継に関しては、親族内の権利関係などを明らかにした上で事業承継計画を策定する必要があるため、県の事業承継・引継ぎ支援センターと連携した支援を実施。第三者承継に関しては、市独自の「ノンネーム(匿名)プラットフォーム」のほか、令和2年からは中間支援事業者とも協力して設立した「オープンネーム(実名)プラットフォーム」を活用し、地域企業と人材のマッチングを支援。これにより、事業者が匿名・実名のいずれで後継者募集を行うか選択できる体制を整えた。
・市のセンターでは、単に名義変更手続きを支援するだけではなく、通常作成が任意とされている親子や親族間での事業承継に関する計画書への調印をしっかり行い、次の世代へ確実に引き継げるようにしている。
・成果として、畳店において和風建築の設計士の方を後継者としてマッチングし、事業承継が成功した事例等が存在。
・令和4年、商工会が商工会員を対象とした実態アンケート調査を実施。約6割の事業者が後継者不在、さらにその約6割が廃業を検討していると回答。地域支援員はこのアンケート調査結果をもとに、小売業など地域に残していく必要のある業態を中心に巡回を行っている。

郡上市説明資料PDF
2. 事業承継促進事例(2):鹿児島県大崎町
鹿児島県大崎町からは、事業承継プラットフォームを活用した事業承継支援及び実際の事業承継事例について紹介されました。
 
・町の人口減少や後継者不足が深刻な課題となっている中、平成27年、町の総合戦略に「町内事業所の雇用の確保については、町が中心となって就業者の確保対策を推進し、町内事業所の事業の拡大、継続に努め」る旨を記載。
・令和2年度に、国の交付金を活用して事業者向けアンケート調査を実施。現場から集まった声やデータにより、後継者不足、情報の不足、事業承継への漠然とした不安など、地域事業者の課題が浮き彫りとなり、事業承継支援を検討。
・令和3年頃より、中間支援事業者と協力して事業承継プラットフォームを導入。商工会や地元金融機関と連携しながら事業を引き継ぎたい事業主の記事を掲載し、それを見た承継候補者とマッチングするプラットフォームで、累計 120の全国の自治体・商工会と連携。
・成果として、養魚場において事業承継が成功した事例があり。本事例では、事業継続が危ぶまれる中、オープンネームで募集をしつつ募集条件を徐々に緩和する等の工夫をした結果、30件以上の応募があり、事業承継につながった。
・町としても、ふるさと納税の返礼品としての採択や全国メディアへの出演、公式YouTubeなどを通じて、地元事業者の活動を支援。
 
大崎町説明資料PDF
3. 事業承継促進事例(3):栃木県那須塩原市
栃木県那須塩原市からは、事業承継プラットフォームを活用した事業承継支援及び実際の事業承継事例について紹介されました。
 
・事業主の高齢化や後継者不在による廃業、自社の強みの打ち出しや顧客ニーズに沿った事業展開の不足等により、特に建設業や卸売・小売業の事業所数が減少する中、中間支援事業者からの提案をきっかけに、令和5年3月、市・中間支援事業者・商工会が全国初となる事業承継(地元の受け手企業が間接的に参画した)に関する連携協定を締結。金融機関、専門家、行政が参画したネットワークで市の事業承継課題に取り組むことで、受け手側の市内主要企業からの情報を共有し、地域内外における円滑な事業承継が実現可能。
・連携協定により、(1)事業者からの事業承継に係る各種相談等に対する助言や、ニーズに合った専門機関等の紹介、(2)中間支援事業者が提供するプラットフォーム等を活用した情報発信、(3)市又は商工会が今後行う支援施策の検討に係る調査研究に取り組むとともに、様々な参加者が一緒になって地域の事業承継について考えるセミナーや、受け手・譲り手に向けたアンケート結果の報告会も実施。事業者に対する啓発や掘り起こし機会の定着、支援機関の知識・ノウハウ向上を常に推進している。
・成果として、市で昔から愛される30年間続いた蕎麦屋の事業承継が成功。この取組は地元メディアでも大きく取り上げられ、本事例をきっかけに、事業承継に関する相談が更に増えるなど、地域に良い循環が生まれている。

第3部:マッチング交流会

自治体と中間支援事業者の交流・意見交換の場も設けられ、参加者同士のネットワークや新たな連携の芽が広がりました。

セミナー参加者からの声

・「事業承継について必要性を感じながらも、どのように取り組めばよいか分からないことが多かったところ、事業承継支援の動向や支援策、先進自治体における取り組み事例など、今後の参考にさせていただきたい。」
・「国の施策方針を知ることができるとともに、事例発表により自治体として事業承継支援に取り組む際の視点や連携体制の在り方を学ぶことができた。」
・「先進事例の話は、大変参考になった。マッチング交流会についても内容が充実しており、とても良かった。」

まとめ

本セミナーでは、各省庁からの施策説明に加え、実際に「事業承継支援」に取り組む自治体の事例を共有いただきました。具体的な自治体の支援事例や参加者の声を通じて、自治体が事業承継支援に取り組む意義や、地域の関係機関と連携することの重要性について改めて確認する機会となりました。
総務省は、様々な地域で事業承継の取組が進むよう今後も支援してまいります。

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