我が国におけるインターネットトラヒックは、年間2〜4割程度のペースで増加しており、従来コンテンツの高品質化(動画コンテンツの高精細化や大容量のゲームコンテンツの配信拡大等)や、新たなコンテンツ(テレビ放送のネット同時配信等)の普及・拡大等により、トラヒック需要の伸びは今後も継続するものと考えられます。
こういった状況の中で、今後とも引き続き、インターネットの品質を維持・向上させるためには、コンテンツ事業者とネットワーク事業者といった業界を超えた連携による対処が必要となります。このため、インターネットトラヒックの流通に携わる民間事業者各社が連携し、定常的な情報共有及び課題検討を行う「インターネットトラヒック流通効率化検討協議会」(略称:CONECT)が設立されることとなりました。
2020年3月以降、新型コロナウィルス感染症対策による、在宅時間の伸びに伴って、インターネットトラヒックは増加傾向にあります。本協議会では、構成員との情報共有を通じて、その傾向の把握・情報の発信を行ってまいります。
測定地点に依存して数値に幅がありますが、概ね以下のような傾向となっております。なお、インターネットトラヒックは、ここ数年年率2割〜4割増で推移してきており、2020年2月下旬時点のトラヒックと比較した以下の数値には、毎年の定常的な伸びによる影響も含まれます。(ネットワーク設備は利用ピークである夜間帯に合わせて設計されています。)
時間帯 | ||||
平日日中帯 | 休日日中帯 | 平日・休日 夜間帯(ピーク) |
||
2020年 | 4月中旬 | 3〜5割程度 | 1〜2割程度 | 1割程度 |
5月中旬 | 3〜7割程度 | 1〜2割程度 | 1〜2割程度 | |
6月中旬 | 2〜3割程度 | 1〜2割程度 | 1割程度 | |
7月中旬 | 1〜3割程度 | 1〜2割程度 | 1〜2割程度 | |
8月中旬 | 3〜6割程度 | 1〜2割程度 | 1〜2割程度 | |
9月中旬 | 1〜3割程度 | 1〜3割程度 | 1〜3割程度 | |
10月中旬 | 1〜3割程度 | 1〜3割程度 | 1〜3割程度 | |
11月中旬 | 2〜4割程度 | 2〜3割程度 | 2〜4割程度 | |
12月中旬 | 3〜4割程度 | 2〜3割程度 | 2〜4割程度 | |
2021年 | 1月中旬 | 3〜5割程度 | 2〜4割程度 | 2〜4割程度 |
2月中旬 | 4〜6割程度 | 3〜4割程度 | 3〜4割程度 | |
3月中旬 | 5〜6割程度 | 3〜5割程度 | 3〜5割程度 | |
4月中旬 | 5〜6割程度 | 3〜5割程度 | 3〜5割程度 | |
5月中旬 | 5〜6割程度 | 3〜5割程度 | 4〜5割程度 | |
6月中旬 | 4〜6割程度 | 3〜5割程度 | 3〜6割程度 | |
7月中旬 | 3〜7割程度 | 3〜7割程度 | 3〜6割程度 | |
8月中旬 | 6〜9割程度 | 4〜9割程度 | 4〜9割程度 | |
9月中旬 | 6〜9割程度 | 5〜9割程度 | 4〜9割程度 | |
10月中旬 | 5〜7割程度 | 4〜10割程度 | 5〜10割以上 | |
11月中旬 | 5〜10割程度 | 4〜10割以上 | 5〜10割以上 | |
12月中旬 | 4〜8割程度 | 2〜7割程度 | 2〜6割程度 | |
2022年 | 1月中旬 | 4〜10割程度 | 2〜8割程度 | 3〜7割程度 |
2月中旬 | 3〜10割程度 | 4〜8割程度 | 3〜8割程度 | |
3月中旬 | 3〜10割程度 | 2〜8割程度 | 3〜8割程度 | |
4月中旬 | 1〜9割程度 | 2〜8割程度 | 3〜8割程度 | |
5月中旬 | 1〜9割程度 | 3〜8割程度 | 3〜8割程度 | |
6月中旬 | 3〜9割程度 | 4〜8割程度 | 3〜8割程度 | |
7月中旬 | 2〜8割程度 | 1〜8割程度 | 1〜8割程度 | |
8月中旬 | 3〜10割以上 | 1〜10割以上 | 1〜10割以上 | |
9月中旬 | 1〜9割程度 | 1〜9割程度 | 1〜9割程度 |
インターネットトラヒックの状況と課題について議論を実施し、今後もその動向について注視していくとともに、増加に係る対応策について継続して協議を行っていくこととした。
<主なトピックス>
国内のインターネットトラヒックの動向は、確認事業者によってばらつきがあるものの、次のとおりであり、今後も随時確認を行い注視していくこととなった。
欧州や北米等は、通信量増大が著しい傾向などが報告された。
意見交換を行うとともに、イベント等の情報共有方法について過去事例を元に検討していくこととなった。
QoE含め継続議論。他事業者の例についても確認していくこととなった。
事業者間連携について継続議論。(横連携の方法の整備等)
第1回に引き続き、インターネットトラヒックの状況と課題について議論を行った。
<主なトピックス>
トラヒック量は、2020年6月以降、徐々に下がっているものの、"新たな生活様式"の定着により、新型コロナウィルス感染拡大前の水準までには下がっていない。事業者によってばらつきがあるものの、次のとおりであり、今後も随時確認を行い注視・情報共有していくこととなった。
各社から見たトラヒックについて情報共有。コンテンツ事業者とネットワーク事業者等の間での情報共有の方法について、検討していくこととなった。
コロナ禍における状況を共有し、今後も確認していくこととなった。
被災地の想定、体制、情報連携について課題を挙げ、今後も継続検討していくこととなった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
コンテンツ配信とネットワークの状況の見える化に向け、情報連携ダッシュボードについて意見交換を実施。引き続き、配信情報の共有等から試行的に始められるよう、具体的な手段、運用を検討する。
品質計測状況をもとに、地域毎、IPv4/IPv6、宅内/集合等の差分について意見交換を実施。引き続き、家庭内の通信環境含めて、利用者に対してどのように情報提供するか等を検討する。
災害対策について意見交換を実施。引き続き、災害発生時の連絡体制の整備や情報共有の在り方について検討する。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
年末年始や今般の緊急事態宣言発出以降のトラヒックについて各社より状況を説明し、意見交換を実施。主な意見は以下のとおり。
年末年始:例年の年末年始と比べてトラヒック増となったものの、通常時のピークまでは至らなかった。
1月7日の緊急事態宣言発出以降:一部の事業者では1月9日から11日の三連休の夜間ピーク時間帯のトラヒックが増大(なお、障害等の影響はなし)。平日昼間帯では、12月と比べて1〜2割程度増であり、昨年の緊急事態宣言下ほどの大幅な増加は見られなかった。
一部構成員(コンテンツ事業者)より自社の品質測定指標の変更についてご説明頂き、意見交換を実施。
引き続き、災害発生時の連絡体制の整備や情報共有の在り方についてサブワーキンググループ等にて検討していくこととなった。
トラヒック集集約拠点の地域への分散させるための実証について概要や効果を実施事業者よりご説明頂き、意見交換を実施。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
トラヒックについて各社より状況を説明し、意見交換を実施。
一回目の緊急事態宣言時のトラヒック増と比べて、ゲーム配信時を除いて最近は落ち着いてきているという意見が多かった。
ゲーム配信においては、大規模配信においても事前ダウンロードや分割ダウンロードによってトラヒック量の抑制を確認できているとの報告があった。
映像配信のトラヒックは安定してきており、視聴側の行動がある程度決まってきたからではないかとの報告があった。
品質状況について、コンテンツ事業者観点でも引き続き確認をしていくこととなった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
トラヒックについて、事前ダウンロード等によるトラヒック抑制効果を通信事業者側においても確認できているとの報告があった。
テレビ放送もあることから、配信によるトラヒック増について、参加メンバーからの大きな懸念の表明は無かった。
引き続き、CONECT内で情報共有を実施していくこととなった。
IPv6対応による効果について、日本だけでなく海外の状況についても確認が必要との意見があった。
日本だけ効果がある事情であったり、海外ではネットワーク構成の移行が過渡期であったりと、国によって異なる状況であるとの意見があり、引き続き情報交換を行うこととなった。
トラヒック増の傾向が続いているとの報告があった。
ただし、トラヒック量全体は一定の増加量であり、瞬間的な増加は人気コンテンツの有無によって発生しているとの報告があった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
各社から見たトラヒックについて情報共有と意見交換を実施。トラヒック量に大きな変化は見られなかったが、
一部事業者では、9月30日の緊急事態宣言解除以降、東京のトラヒック量が日中帯を中心にやや減少したと報告があった。
東京2020中のライブ配信・オンデマンド配信におけるトラヒック量の状況や、ライブ配信用の配信機器のパフォーマンス等について意見交換を実施。
本配信におけるトラヒック量は、事前に想定したトラヒック増加量には至らず、マルチCDN、IPv6配信等により、安定的に配信を完了したとの報告があった。
データセンター事業者から最近のトラヒックの動向について報告があり、意見交換を実施。
Apple社の新サービスであるPrivate Relayに関し、通信事業者への影響等について意見交換を実施。今後も注視していくこととなった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について意見交換を実施した。
<主なトピックス>
各社から見たトラヒックについて情報共有と意見交換を実施。依然は緊急事態宣言によってトラヒックが増加していたが、最近はゲーム配信やライブ配信等によってトラヒックが急増するといった状況。
北京オリンピック期間中のライブ配信・オンデマンド配信の配信方法や、想定するトラヒック量について報告があり、意見交換を行った。
最近のトラヒックの傾向や自社が認識している課題等について意見交換を行った。
IPv6地理情報共有に関する現状と今後について意見交換を行った。
インターネットトラヒックに係る諸課題について現状報告を実施した。
<主なトピックス>
2021年度に総務省で実施したインターネットトラヒックに関する調査研究の結果について、総務省および関連事業者から報告があった。
北京オリンピック期間中の配信状況や、トラヒック分散の結果について報告があった。
過去のコンテンツ配信における大幅なトラヒック増が観測された配信に関する報告や、今後トラヒックの増大が見込まれる配信の情報共有、トラヒック分散に関する報告等があった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について現状報告および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
2021年度に総務省で実施したインターネットトラヒックに関する調査研究について、前回からの追加で結果を共有するとともに、既に公表されている内容を基にした2022年度に予定している調査研究の概要について、情報共有があった。
世界および国内におけるトラヒックの推移について情報共有があった。最近は前年度と比較してトラヒックの推移は緩やかであるものの、データ配信が重なり、突発的なトラヒックも発生していることから、こういったトラヒックの平準化が課題になるだろうといった議論があった。
今後の大規模なトラヒックが発生すると思われるコンテンツに関する意見交換を行った。具体的には、11月に予定されているFIFAワールドカップのインターネット配信では、注目度の観点から大規模なトラヒックが発生することが予想されるため、こういったトラヒックに関する、規模の予測や分散の方法について、技術的観点から意見交換があった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について現状報告を実施した。
<主なトピックス>
最近のインターネットトラヒック全般の推移や、コンテンツ配信中のトラヒックの推移状況についての情報共有があった。また、各トラヒックの推移から今後業界として対応や検討が必要といった議論があった。
これまで実施してきたインターネットトラヒックに関する調査研究を紹介するとともに、今後どのような検討が必要か意見交換していきたいといった議論があった。
最近の配信イベントに係るインターネットトラヒックについて、情報共有を実施した。
<主なトピックス>
最近の配信イベントにおけるトラヒックの状況(イベント中の変化を含む)、それに対する事業者の対応や考察等について情報共有があった。
また、同じ配信イベントの中で配信を行う複数の事業者から、それぞれが扱ったトラヒックの状況や対応についても情報共有があった。
データセンター等のデジタルインフラ整備に関する取組の現状について情報共有があった。
将来的なトラヒックの増加に備えたキャパシティの設計や対応の在り方について課題を共有し、継続的に議論していくこととなった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
2022年度に総務省が実施したインターネットトラヒックに関する調査研究(トラヒック地域分散に関する調査研究、トラヒック予測に関する調査研究)の結果概要について、総務省及び関連事業者から報告があり、これについて意見交換が行われた。
参加企業から、最近の大規模な配信イベントにおけるコンテンツ配信事業者、CDN事業者、ISP事業者等が実施した協力の概要やその結果について情報共有があった。
また、昨今の世界的なサイバー攻撃の状況やこれに対する取組についても情報共有があった。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
2022年度に総務省が実施したIPv6対応状況等に係る調査の結果概要について、総務省から報告があり、これにつき意見交換が行われた。
参加企業から、グローバル規模でのトラヒックの推移や、2022年度のライブ配信におけるIPv6対応状況について情報共有があり、これらにつき、それぞれ意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
2023年度に実施しているインターネットの脆弱性分析に関する調査研究の概要について総務省から説明があり、これにつき意見交換が行われた。
参加企業から、集合住宅のネットワーク環境、グローバル規模でのトラヒック交換の現状及び今後の災害対策について情報共有があり、これにつき、それぞれ意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
これまでに我が国で発生した主な噴火の事例、今後予想される富士山噴火に備えた防災の取組、富士山噴火が通信に与え得る影響について内閣府(防災担当)から説明があり、これにつき意見交換が行われた。
参加企業から、コロナ禍以降の集合住宅のネットワーク環境の現状や課題について情報共有があり、これにつき意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
令和6年能登半島地震の被災地の状況について、リエゾンとして現地に派遣された総務省職員から説明があり、意見交換が行われた。
参加企業から大規模なライブ配信におけるトラヒックの増加に対する取組やデジタルインフラの設備投資の現状等について情報共有があり、意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン及び2023年度に実施したIPv6対応状況等に係る調査結果の概要について総務省職員から説明があり、意見交換が行われた。
参加企業からパリオリンピック期間中のトラヒック増加に対する取組や今後の大規模なライブ配信におけるトラヒックの増加に対する取組について情報共有等があり、意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
デジタルインフラ(DC等)の整備に関する有識者会合中間とりまとめ3.0、インターネットの構造的脆弱性に係る課題、固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン公表以後の進捗状況及びトラヒックの集計に関して総務省職員から説明があり、意見交換が行われた。
参加企業からパリオリンピック期間中のトラヒック増加に対する取組のフィードバック、ゲームのアップデートによるトラヒックの増加に対する取組について情報共有等があり、意見交換が行われた。
インターネットトラヒックに係る諸課題について情報共有および意見交換を実施した。
<主なトピックス>
事務局より、災害発生時における通信設備の被害に応じた災害の区分わけに関する提案が行われ、参加した構成員間の意見交換を実施し、引き続き災害発生時における事業者間の連携を想定した、災害の区分わけの内容等について継続的に意見交換を行うこととした。
データセンター等の地方分散によるデジタルインフラ強靭化事業について、令和6年度補正予算が措置されたことから、事業の予算規模、想定される対象地域や設備(データセンター、IX等)等に関する情報提供を行った。
本協議会の参加企業・団体等は次のとおりです。
なお、参加企業・団体等については、今後追加や変更となる場合がございます。
(2023年2月時点(計43者)、企業名・団体名にて五十音順)