次に、SNSを利用する際に、「本人の許可なく他人の個人情報やプライバシーに関する情報を書かない」などの一般的な注意事項にどの程度気をつけているかを尋ねた。その結果をみると、「非常に気をつけている」と答えた人と「気をつけている」と答えた人を合わせると、例示した注意事項については、SNS利用者の約9割が気をつけていると回答している。
年代別にみると、60代以上は「非常に気をつけている」と回答した人の比率が他の年代よりも多く、慎重に利用していることがうかがわれる。他方、20代以下は「あまり気をつけていない」や「気をつけていない」と回答した人の比率が他の年代に比べてやや高い(図表4-2-2-12)。
「若者等がアルバイト先の店舗の冷蔵庫に入っている様子や飲食店で悪ふざけをした様子などを撮影した写真をTwitterなどのソーシャルメディアに投稿し、マスメディアに取り上げられているケース」に対して、アンケート対象者がどのような意見を持っているかを尋ねた17。
全体に「このようなケースが起きるのは、モラルが低下していることの表れだ」との意見や、「ネット社会の変化に対応して、よりしっかりした情報モラル教育が必要だ」との意見を持つ人が多かった(図表4-2-2-13)。年代別にみると、年代が上がるほどこうした意見を持つ人の比率が高くなる傾向にある(図表4-2-2-14)。
最後に、「SNSによっては投稿に位置情報が付くことがある」ことや「SNSによっては投稿の公開範囲を設定できる機能がある」ことなどの、一般に必ずしも広く知られているとは言えないSNSの特性について、アンケート対象者の認知度を尋ねた。「知っている」と答えた人の比率は年代が上がるほど低くなる傾向があり、60代以上では3割程度の認知度にとどまっている(図表4-2-2-15)。
17 本設問及び次の設問の作成に当たっては、橋元良明他「誰がネットで情報漏洩するのか??企業従業員に対するTwitter利用調査?」(『東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究・調査研究編』No.30(2014年4月)所収)を参考にした。