A1 裁定は、公害等調整委員会の委員3人又は5人から構成される裁定委員会が、公害紛争に関する損害賠償責任の有無及び賠償すべき損害額又はその要件としての因果関係の存否について、法律的判断を下すことにより、紛争解決を図る手続です。
前者の法律的判断を責任裁定、後者の法律的判断を原因裁定といいます。
詳しくは「裁定手続の概要」のページをご覧ください。
A2 責任裁定とは、公害に係る被害についての損害賠償に関する紛争が生じた場合に、その損害賠償責任の有無及び賠償すべき損害額について判断する制度です。
裁定委員会の判断が記載された裁定書の正本が当事者に送達された日から30日以内に、裁定の対象となった損害賠償に関する訴えの提起がなかったときは、その損害賠償に関し、当事者間に当該責任裁定と同一の内容の合意が成立したものとみなされます。
A3 原因裁定とは、公害に係る被害について、民事上の紛争が生じた場合において、不法行為責任その他の民事上の責任の成立要件の一つとしての加害行為と被害との間の因果関係の存否について判断する制度です。責任の有無や賠償すべき損害額については判断しません。
なお、原因裁定は、因果関係の存否について裁定委員会の見解を示すに留まるもので、法的な効力はありません。
A4 裁定の申請先は公害等調整委員会です。なお、申請書の記載例は、「申請書類等の書式例」をご覧ください。
A5 原因裁定については、加害者側からも申請が可能です。
しかし、責任裁定については、加害者側からの申請はできませんので、御留意ください。
A6 裁定事件の記録は、当事者又は利害関係人であれば、公害等調整委員会の許可を得て閲覧・謄写が可能です(公害紛争の処理手続等に関する規則第64条第2項)。
許可をするか否かは、当事者等のプライバシーに係る資料の取扱いなどの様々な事情を総合的に勘案して判断されます。
A7 これまで係属した事件の一覧は「公害等調整委員会に係属した公害紛争事件一覧」をご覧ください。また、既に終結した裁定事件については、「終結した公害紛争事件」(平成13年度〜平成30年度)(令和元年度〜)のページから裁定書をご覧になることができます。
A8 調停のように打切りになることはなく、相手方の手続に臨む姿勢も踏まえて、裁定委員会が裁定を行います。
A9 裁定手続が進められる中で、裁定委員会が、当事者の合意による解決が望ましいと判断した場合には、調停による解決が図られる場合があります(「職権調停」といいます。)。
なお、調停が成立しなかった場合には、裁定手続に戻ることになります。