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2025年8月7日(木)、総務省主催による「副業人材・シニア・外国人の活躍促進に向けたセミナー」をオンラインにて開催しました。副業人材・シニア・外国人の地方定着・活躍を地域でどのように促進・支援していくかをテーマに、全国の自治体・中間支援事業者等の多様な参加者が集って実施された当該イベントについて、当日の様子(各省庁からの施策説明・先進事例紹介・マッチング交流会)をお届けします。
【セミナー開催レポート】
第2部:先行事例のご紹介
第2部では、全国の自治体や中間支援事業者から、副業人材・シニア・外国人の活躍を促す先進事例が発表されました。それぞれの地域特性や課題に寄り添った取り組みが具体的に語られ、参加者の理解を一層深める内容となりました。
1. 複業人材活用支援事業:鳥取県北栄町
鳥取県北栄町からは、商工会・中間支援事業者と連携した「地域の人事部」において実施している、複業人材活用支援の取組が紹介されました。
・北栄町では、近年観光施設の整備・交通網の開通準備等が進む一方、労働力不足の深刻化が進んでいるという課題があったことから、商工会及び中間支援事業者と三者連携協定を締結し、地域の事業者と一体となって人材確保・育成・定着の取組を支援する北栄町版「地域の人事部」を立ち上げ。町と商工会と中間支援事業者が協力して、中間支援事業者が所有するコミュニティに所属する複業人材(令和7年8月時点で約250名)と町内企業のマッチング支援を行うことで、地域企業の担い手不足の問題解決に取り組んでいる。
・複業人材と地域企業のマッチングにおいては、北栄町の委託を受けて中間支援事業者が設置した「複業コーディネーター」が、双方が抱える希望・課題について丁寧なヒアリングを実施。企業の業務内容と複業人材のスキルの照らし合わせ(スキルマッチング)に加えて、企業の社風と複業人材の性格等を照らし合わせる「相性マッチング」も実施することで、双方が継続的な関係を築くことのできるマッチングを実現。
・町では複業人材の「初動支援」補助金制度を創設することで、地域企業が負担する複業人材への業務委託料・交通費の補助を実施。これにより町内企業4社(R7年8月現在)が複業人材を受け入れる等、町内企業における複業人材の活用が本格化している。
北栄町説明資料
2. 都市部人材デュアルワーク支援事業:愛媛県松山市
愛媛県松山市からは、地域企業における都市部の複業人材の活用を促進する取組が紹介されました。
・松山市では、都市部の複業人材を活用した地域経済の成長と関係人口の創出を目的とし、令和2年度から、人手・人材不足に悩む市内企業と複業等を通じて自らのスキル・経験をいかしたい都市部の複業人材とのマッチングを支援する事業「だんだん複業団」を開始。
・事業では、市の事業設計のもと、中間支援事業者が選定した地域コーディネーターが、課題を抱える市内企業の掘り起こしや連絡調整等を行い、中間支援事業者が 複業人材の掘り起こし・市内企業と複業人材が交流できる場の提供等を行うことで、双方のマッチングを支援。
・加えて、複業人材同士の横のつながりを作るためにオンライン交流会等を開催する「コミュニティプログラム」や、過去に事業に参加した市内企業が気軽に複業人材に相談できる「Anytimeマッチングプログラム」の実施、市内企業と複数の複業人材がチームで新事業・新商品開発に取り組む「共創プロジェクトプログラム」の実施により、市内企業における複業人材の活用を多面的に推進。
・令和2年度〜令和6年度においては、市内企業57社と503名の複業人材が事業に参加、また、470件のアイデアが提案され、結果として121件のマッチングが成立するなど、市内企業の課題解決において複業人材活用が成果を上げている。
松山市説明資料
3. 高齢者新規就業支援事業:静岡県牧之原市
静岡県牧之原市からは、介護人材不足の解消と高齢者の社会参加促進を目的とした「アクティブシニア活躍支援事業」の取組が紹介されました。
・牧之原市においては、介護人材の不足が課題となっており、当該課題の解決と高齢者の社会参加の促進のため、中間支援事業者と協力して、令和元年から「就労を希望する高齢者」と「介護人材が不足している事業所」をつなげるマッチング支援「アクティブシニア活躍支援事業」を開始。
・マッチングの前には、介護人材となりうる高齢者に「介護に関する入門的研修」を実施。中間支援事業者と協力して専門の講師を招聘することで、就労意欲のある高齢者が、介護の基本的な知識を身に付け、介護サービス事業所で働きやすくなるための知識を学べるようにしている。
・また、受入れ事業所に対しても、中間支援事業者が設置したマッチング支援員が実際に事業所を訪問し、シニア人材のできる業務について丁寧に説明をするとともに、シニア人材に任せる業務の検討等を事業所と共に実施。ミスマッチを防ぐよう努めている。
・市ではHPや広報誌、市のメールやLINEアプリ等を活用して募集した結果、R6年度は定員15名に対し50〜70代までの幅広いシニア人材が応募し、参加。その中の9名が介護サービス事業所の就労に至っている。
牧之原市説明資料
4. 外国人人材活躍支援:秋田県能代市
秋田県能代市からは、「地域の人事部」の取組による外国人材獲得・定着に向けた取り組みが紹介されました。
・能代市では、有効求人倍率が全国平均・秋田県平均よりも高く、人材不足が深刻化しており、現実的な解決策として外国人材の受入の検討を開始。
・市においては、外国人材の受入のためのノウハウが不足していたため、まずは個社ではなく「共通の課題を持つ者同士」が共同で取り組むモデルケースを創出すべく、R6年度に経済産業省の「地域の人事部」事業を活用した取組を開始。
・具体的には、市内企業が中心となって一般社団法人を立ち上げるとともに、市役所・地元企業・地方銀行等とが連携して地域全体で外国人材受入を推進する体制を構築した。(市において不足しているノウハウ・知識については、中間支援事業者による伴走支援を受けることで対応を行った。)
・具体的な取組として、地元企業8社と市職員3名でインドネシア視察を実施し、現地人材との対話を通じて8名の来日が決定。
・また、中間支援事業者の協力で外国人材の雇用に伴う書類手続きのデジタル化を推進。これらの取組により、約8ヶ月で約50人超の海外人材の獲得に成功した。
・さらに、市役所の会議室で、企業向けの外国人雇用相談会を無料で開催。メディアからの注目等もあり、説明会は予約開始直後に満席になる等、企業の外国人材活用への関心が高まっている。
能代市説明資料
第3部:マッチング交流会
自治体と中間支援事業者の交流・意見交換の場も設けられ、参加者同士のネットワークや新たな連携の芽が広がりました。
セミナー参加者からの声
・「第1部の施策説明では初めて知る内容が多く、とても参考になった。」
・「各取組の具体的な進め方に加え、ご苦労された点なども共有いただき、大変参考になった。」
・「マッチング交流会では質問に対し登壇者の皆様から直接ご回答を賜り、大変貴重な場となった。」
まとめ
本セミナーは、各省庁からの施策説明に加え、「副業人材・シニア・外国人の活躍促進」の課題に取り組む自治体・中間支援事業者の最前線を示す貴重な機会となりました。具体的な事例や参加者の声を通じて、副業人材・シニア・外国人をはじめ、地域の多様な人材が自分らしく働き、活躍できる社会づくりに向け、全国各地の自治体や中間支援事業者との協働が広がりつつあることを実感できました。総務省は、様々な地域で多様な人材の活躍が進むよう今後も支援してまいります。