平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(4)  ネットワーク技術の研究開発の推進

 ア 超高速ネットワーク技術の研究開発
 ギガビットの速度で伝送することができる超高速ネットワークの実現は、三次元高精細映像通信やスーパーコンピュータ間通信等の通信分野のほか、教育、地球環境、医療等の分野においても幅広く利用することができると期待されている。そこで、郵政省では、ギガビットネットワークの実現に向けて超高速ネットワーク技術の研究開発を推進している。具体的な内容は次のとおりである。
 (ア)  (株)超高速ネットワーク・コンピュータ技術研究所
 6年3月に基盤技術研究促進センター等の出資により設立された(株)超高速ネットワーク・コンピュータ技術研究所では、超高速通信ネットワークとスーパーコンピュータ等の情報処理装置の統合化技術について、[1]ネットワークアーキテクチャの研究、[2]アクセス技術の研究、[3]情報処理・通信制御統合化技術の研究、[4]応用化技術の研究の四つのサブテーマに分けて研究開発を推進している。
 7年度においては、[1]ATMネットワークにおける超高速呼接続方式、超高速トラヒック制御・ふくそう制御方式等の提案、[2]異種ネットワーク間ゲートウェイの方式検討及び装置試作、[3]超高速情報処理装置内における入出力制御チャンネルの方式検討及び装置試作、[4]画像情報の効率化生成・転送方式の検討及びソフトウェア試作等を行った。また、8年2月からは、これらの試作システム及びソフトウェアを適用した基本実験システムを構築し、 600Mb/s ネットワークを介した実証実験を行い、開発技術の実証及び評価を行っている。
 (イ)  ギガビットネットワーク協議会
 ギガビット級の超高速ネットワークの技術開発・利用促進のため、6年11月に、郵政省、通信・放送事業者、メーカー等により設立されたギガビットネットワーク協議会では、7年11月から、郵政省通信総合研究所、文部省放送教育開発センター及び民間の研究所を結ぶマルチメディア通信共同利用実験網を利用して、[1]リアルタイムVLBI、[2]マルチベンダーATM網管理実験、[3]ネットワーク型ビデオ・オン・デマンド実験、[4]双方向教育情報システム実験の四つの共同研究を実施している。
 また、8年2月には、国際シンポジウムを開催し、日米欧等の専門家間で各国の研究開発動向に関する情報交流を行った。
 イ 超高速情報通信研究ネットワーク実験に関する共同研究
 将来の超高速情報通信ネットワークの構築に向け、郵政省通信総合研究所は、7年3月から、民間会社の研究所と共同で、超高速ネットワーク上でのサービス提供技術に関する研究開発を進めている。この共同研究においては、双方を結ぶATM(非同期転送モード)による超高速光通信のテストベッドとして実験ネットワークを整備し、WANの高信頼、効率的な運用技術等のネットワーク利用技術を研究するとともに、さらに超高速ネットワークを活用した音声、画像を統合して扱える双方向・ネットワーク型の通信サービスの研究開発を行うこととしている。

 

 

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