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第2部 情報通信政策の動向6 放送メディアの多様化の推進(1) ハイビジョンの普及促進ア ハイビジョン・シティモデル都市の指定 「高度映像都市(ハイビジョン・シティ)構想」は、高度映像メディアであるハイビジョンを導入し、映像の持つヒューマンコミュニケーション機能を活用することで、地域の活性化と魅力ある都市づくりを目指すものであり、郵政省は、モデル都市のシステム構築に対し、財政投融資、無利子融資、税制等の各種の支援措置を講ずることにより、この構想の推進に積極的に取り組んでいる。ハイビジョン・シティモデル都市としては、6年度に、新たに静岡県浜松市が指定されたことにより、6年度末現在、38地域が指定されており、このうち33地域(71か所)にハイビジョンシステムが導入されている(第2-2-5-3図参照) 。 イ ハイビジョン放送の拡充・強化 ハイビジョン放送は、3年11月から(社)ハイビジョン推進協会により試験放送が行われてきたが、6年5月、(社)ハイビジョン推進協会への一括免許に代え、ソフト提供者ごとに免許を付与することとし、また、1チャンネルを曜日別に分割し、当該曜日において5時間以上の放送を最小単位として複数の枠を設定すること等を内容とする実用化試験局の免許方針等について電波監理審議会から答申が出された。 この答申を受けて、郵政省では免許申請を受け付け、同年10月、NHK及び一般放送事業者7社に対し予備免許を付与し、同11月25日(ハイビジョンの日)から実用化試験放送が開始された(第2-2-5-4図参照) 。 (2) コミュニティ放送の普及促進コミュニティ放送は、FM放送用の電波を利用して市町村等の一部の区域において、地域住民に密着したきめ細かい情報を提供し、当該地域の振興その他公共の福祉の増進に寄与することを目的とし、4年1月に制度化されたものであるが、6年度には9局が開局し、6年度末では15局が放送を行っている。 この普及促進を図るため、郵政省は、6年5月及び6月、関係告示の変更等により、[1]1市町村1系統の制限の緩和、[2]これまで個別に定められてきた使用周波数を、あらかじめ複数波用意、[3]申請書類の簡素化及び免許事務処理の迅速化といった環境整備を行った。また、コミュニティ放送の放送区域の規模をより適正なものとすることにより、さらにその普及促進を図るため、7年3月、関係告示の変更により、電波出力を1ワット以下から10ワット以下に緩和した。 (3) FM放送の多様化ア FM文字多重放送の実用化 FM文字多重放送は、従来のFM放送の電波のすき間を利用して、ステレオ音声信号とは異なる信号(文字、図形等)を伝送するものであるが、6年4月、実用化を図るため、関係省令等が改正された。 これに伴い、免許申請が受け付けられ、6年9月に(株)エフエム東京に予備免許が付与され、同社は同年10月からサービスを開始している。この「見えるラジオ」とも言われるサービスは、音声放送と関連する曲名リクエスト情報や、ニュース、天気予報、交通情報等を提供するものである。 また、同局をキー局とする全国FM放送協議会加盟32局が、7年4月から放送を開始する予定である。 さらに、NHKにおいても、7年度中にFM文字多重放送を開始する予定である。 イ 外国語FM放送の実現 在日外国人や日本人の国際化に伴うニーズを背景とし、外国語放送の普及を図るため、郵政省は、7年2月、関係省令等を改正し、地上系のFM放送に、新たな放送の区分として外国語放送を追加した。 放送対象地域は、東京23区を中心とした区域(東京都23区、埼玉県浦和市、千葉県千葉市、神奈川県横浜市・川崎市、新東京国際空港)及び大阪市を中心とした区域(大阪府大阪市・堺市・東大阪市、京都府京都市、兵庫県神戸市・尼崎市、奈良県奈良市、関西国際空港)であり、7年2月から免許申請を受け付けている。 (4) テレビジョン放送画面のワイド化・高画質化第2世代EDTVは、現行テレビジョン放送と両立性を保ちながら、1チャンネルの周波数領域(6MHz )の中で、画面のワイドアスペクト化(9:16)、高画質化等を図るものであり、元年7月より電気通信技術審議会EDTV委員会で審議が進められてきた。 6年1月の電気通信技術審議会において、EDTV委員会から暫定方式の報告が行われ、ワイドアスペクト化の伝送方式としては、レターボックス形式(注) を採用することとし、室内・野外実験が実施されてきた。 7年1月には電気通信技術審議会から技術的条件について答申を受けた。同答申においては、画面のワイド化技術、垂直及び水平解像度の補強技術、識別制御信号の特性等、第2世代EDTVの技術的条件が明確化されている。 郵政省では、今回の答申を受け、第2世代EDTVの実用化に向けて、関係省令等の改正を7年の夏頃を目途に行う予定である(第2-2-5-5表参照) 。 ![]() ![]() ![]()
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