平成7年版 通信白書

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第2部 情報通信政策の動向

第6節 豊かな生活環境を実現する郵便事業・郵便局ネットワークの展開


 1 ニーズに対応した郵便サービスの提供


 

(1)  翌朝郵便サービスの実施


 業務用書類等の送逹に関して、前日に差し出した郵便物を翌朝の一定時刻までに配達するサービスに対して利用者ニーズが高まっている。このようなニーズを背景に郵政省では、7年2月から一定の時間に取扱地域の集配郵便局等の窓口又は集荷を行う職員に差し出された定形郵便物又は定形外郵便物を、翌日の午前10時までに配達する「翌朝郵便サービス」を開始した。
 取扱地域・引受郵便局、利用条件及び料金は第2-2-6-1表 のとおりである。
 

(2)  電子郵便(レタックス)のサービス改善


 昭和56年から取扱いを開始したレタックスは6年度においては約 1,600万通と順調に増加しており、郵便の主要なサービスの一つとして位置付けられている(第2-2-6-2図参照) 。
 レタックスは元年10月からブーケ等の形をしたメロディー発生装置付電子郵便台紙に納めて配達するサービスを行ってきたが、多様化する利用者のニーズに応えるため、6年9月から新たに押し花付、立体画像(ホログラム)付、その他台紙の表面に特別な加工を施したもの計7種類を追加し、これら特別な台紙についても料金後納の取扱いが可能となった。
 

(3)  コンピュータ郵便の充実・強化


 コンピュータ郵便は受取人の住所・氏名、通信文等を一定のフォーマットに従って記録した磁気テープやフロッピーディスクを引き受けるか、又は利用者と取扱郵便局間及び送信側と受信側の取扱郵便局間でオンラインによるデータの送受信を行い、受信側の取扱郵便局で通信文・あて名等をプリンタで通信文用紙に印字し、封入封かんのうえ一般の郵便物と同様の方法で送逹するサービスで、昭和60年6月に日本橋郵便局、大阪中央郵便局で取扱いを開始した。
 現在のコンピュータ郵便はフォーマットの作成が難しい、個人での利用が難しいなどの問題がある。そこで郵政省では、[1]パソコンで作成した文書をそのままコンピュータ用データとして使用できるコンピュータ郵便用データ変換ソフトを開発する、[2]東京都内、大阪市内の5局を新たにコンピュータ郵便の引受局とする、[3]パソコン通信を利用したコンピュータ郵便の差出しを可能にすることにより比較的差出通数の少ない事業所やパソコン通信を行っている企業・一般個人がコンピュータ郵便を利用しやすくする予定である。
 

(4)  集荷サービスの充実・強化


 郵政省では利用者の集荷の要望に応えるため、6年8月から定時集荷の拡充、ビル内一括集荷の実施、集荷センターの設置により集荷サービスの一層の充実・強化を行っている。
 定時集荷は、従来1日1便であったが、集配普通局については午前1便、午後2便、集荷要請の多い集配特定局については午前1便、午後1便設定した(なお、便数は集荷状況に応じて増減することがある)。
 ビル内一括集荷は、事業所が多数あり集荷ニーズが見込まれるオフィスビルについて、毎日一定の時刻に訪問する集荷サービスである。
 集荷センターは、利用者の利便向上、郵便物処理の迅速化及び輸送の効率化を図るため地域区分局等拠点局に設置され、各郵便局の大口事業所の集荷を集約して受け持っている。
 

(5)  窓口混雑緩和のための機器配備


 郵政省では、休日や夜間における郵便切手・はがきの購入を容易にするとともに、大都市やその周辺に所在する郵便局の窓口の混雑を緩和し、窓口サービスの向上を図ることを目的として、「郵便切手・はがき発売機」の配備を推進しており、6年度は266 台を配備した(6年度末現在、2,410 台)。
 7年度には、各地域の中心となる郵便局等に338 台の「郵便切手・はがき発売機」を配備するとともに、新たに利用者の操作により郵便料金を案内し、併せて郵便料金証紙を発売する「郵便料金案内・証紙発行機」を配備する予定である。
 

(6)  高速道路サービスエリアへの郵便ポスト設置拡大


 近年、我が国においては順次高速道路が整備され、高速道路の利用者が増加しているため、郵政省では昭和63年4月から高速道路のサービスエリアへの郵便ポストの設置を行い、6年末現在93か所に設置済である。
 

(7)  マルチメディア時代に向けた郵便サービスの実験・調査研究


 マルチメディア時代においては、情報通信を利用して在宅のまま郵便サービスを申し込みたいという利用者ニーズが高まることが予想される。
 郵政省ではこのような状況に的確に対応していくため、7年度においては、関西文化学術研究都市において実験が行われている「新世代通信網パイロットモデル事業」に参画し、郵便商品及び郵便サービスの内容や料金等の業務案内、記念切手の購入、レタックス、ふるさと小包の申込み等のホームショッピング等の実験を行う予定である(第2-2-6-3図参照) 。
 また、マルチメディア時代に向け、郵便サービスの在り方について有識者からなる調査研究会を設け、検討していくこととしている。
 この実験等により、利用者の利便向上と郵便サービスの情報化を積極的に推進していくこととしている。


第2-2-6-1表 翌朝郵便サービスの概要

第2-2-6-2図 レタックス取扱数の推移

配達台紙 (押し花付) (ホログラム付)

第2-2-6-3図 マルチメディアを活用した郵便サービスの実験システムのイメージ図
 

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