総務省では、インターネット接続サービスにおける品質測定手法等についてガイドラインとして定めています。事業者の皆さまがガイドラインの内容に沿って品質測定を実施し、その測定結果を利用者へ分かりやすく情報提供を行うことにより、利用者が品質に関する正確な情報に基づいてサービスを選択できる環境の整備を目指します。
スマートフォン等の急速な普及に伴い、「最大通信速度(ベストエフォート)型サー ビスとはいえ、うたわれている通信速度が実際と乖離している」といった利用者の苦情が増加していました。また、広告や販売勧誘の際に示される通信速度等のサービス品質の表示が規格値となっていましたが、この規格値は、必ずしも利用者の期待する通信速度を踏まえている状況にあるとはいえませんでした。さらに、事業者やメディア等が独自の通信速度に関する調査結果を公表していましたが、基準にばらつきがあり、利用者がその比較をするのが困難でした。
このような状況を踏まえ、総務省では実効速度計測手法及び利用者への情報提供手法等を検討するために「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」を開催し、平成27年7月にガイドラインを策定しました。移動系通信事業者の皆さまが、本ガイドラインの内容に沿って実効速度の計測等に取り組むことを期待しています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした様々なデジタルサービスの普及により、固定ブロードバンドサービスが社会経済活動や国民生活を支える上でより重要な役割を担うようになり、一層のサービス品質の確保が求められるようになりました。一方、消費者からは通信速度が遅い、(特定の時間に)つながりにくい等の苦情・相談が一定数寄せられていました。
また、多くの事業者が規格上の最大通信速度を訴求する中で実際の通信品質の具体的な数値を提供していない状況を踏まえ、「ネットワーク中立性に関する研究会 中間報告書」(平成31年4月)において、ブロードバンドサービスの実効速度を測定し、消費者に分かりやすい情報提供をすることが適当であると指摘されていました。
しかしながら、これらの事業者間の接続形態や通信設備の態様の影響を受けるため、固定ブロードバンドサービスの通信品質の測定に係る手法はこれまで確立されていませんでした。
このような状況を踏まえ、総務省では公正、中立的かつ効率的な固定ブロードバンドサービスの品質測定手法や消費者への情報提供の在り方等について検討するために「固定ブロードバンドサービスの品質測定手法の確立に関するサブワーキンググループ」を開催し、令和6年9月にガイドラインを策定しました。固定ブロードバンドサービスを提供する通信事業者の皆さまが、本ガイドラインの内容に沿って実効速度の計測等に取り組むことを期待しています。
電気通信サービス向上推進協議会に実効速度適正化委員会が設置されており、品質測定手法や消費者の課題等に関して専門的な知識を持つ有識者によって構成されています。当委員会ではガイドラインの内容に沿って各事業者による品質測定が適切に行われているか、またその測定結果が適切に公表されているか継続的に確認しています。
総務省も当委員会へオブザーバーとして参加し、議論動向を注視しています。また、適切な測定・公表を促進することで、品質に関する正確な情報に基づいて利用者がサービスを選択できる環境の整備に努めています。
<参考:MNOにおけるインターネット接続サービスの測定結果 (注)MNO各社の外部サイト>
総務省では2021年度に約1,200名のモニターユーザを募集し、各宅内環境における固定ブロードバンドサービスの通信速度等について測定する実証調査を行いました。モニターが一番多く確保できた上限速度1Gbpsのサービスにおける測定結果は図1のとおりです。
本実証調査の結果では、ダウンロード速度(DL速度)及びアップロード速度(UL速度)の平均値は規格上の上限速度に対して2〜3割程度の通信速度であることが確認されました。
また、DL速度は4時から7時の間に最大となり、20時から24時の間に最小となるという傾向が確認されました。
※固定ブロードバンドサービスの多くはベストエフォートサービスであるため、以下のグラフで示す通信速度は保証されたものではありません。
<図1>戸建及び集合住宅における時間帯別の実効速度の測定結果(2021年度実証調査)

また、図2のとおり、実証調査を通して、地域別に実効速度に違いがあることも確認されています。ただし、図2のグラフは、各地方におけるモニターユーザ数に差があることにご留意ください。
<図2> 地域別の実効速度の測定結果(2021年度実証調査)

ウェブ会議、オンライン授業、遠隔診療等のデジタルサービスは、サービスを快適に利用するために推奨される通信速度が目安として設定されています。推奨通信速度はサービスごとに設定されており、ライブ配信の視聴やウェブ会議等のようにサービスの利用中は常に一定以上の通信速度を確保することが推奨されるもの、情報検索や電子メールのように情報を送受信する瞬間に通信速度が確保されている必要があるものなどがあります。
主なサービスで推奨されている通信速度は表1のとおりです。
<表1> 推奨通信速度の例(2026年2月時点)
| サービス内容 | サービス例 | 推奨通信速度 | |
| Web会議※1 | Cisco Webex Meetings |
•標準画質ビデオ :0.5Mbps / 0.5Mbps(下り/上り)
•高画質ビデオ :1.0Mbps / 1.5Mbps(下り/上り)
•HDビデオ :2.5Mbps / 3.0Mbps(下り/上り)
|
|
| Teams |
•ビデオ(1対1) :1.5Mbps / 1.5Mbps(下り/上り)
•ビデオ(会議) :4.0Mbps / 2.5Mbps(下り/上り)
•画面共有(会議) :2.5Mbps / 2.5Mbps(下り/上り)
|
||
| Zoom Meetings |
•ビデオ通話(1対1)
高品質ビデオ :0.6Mbps / 0.6Mbps(下り/上り)
HD 720p :1.2Mbps / 1.2Mbps(下り/上り)HD 1080p :3.0Mbps / 3.8Mbps(下り/上り) •グループビデオ通話
高品質ビデオ :0.6Mbps / 1.0Mbps(下り/上り)
HD 720p :1.8Mbps / 2.6Mbps(下り/上り)HD 1080p :3.0Mbps / 3.8Mbps(下り/上り) |
||
| 動画視聴・ 配信※2 |
YouTube | <動画視聴>
•HD 720p :2.5Mbps
•HD 1080p :5Mbps
•4K UHD :20Mbps
|
<ライブ配信>
•720p、60fps :6Mbps
•1080p、60fps :12Mbps
•2160p(4K)、60fps :35Mbps
|
| Netflix |
•高画質 720p :3Mbps以上
•フルHD 1080p :5Mbps以上
•超高画質 4K :15Mbps以上
|
||
| ゲーム※3 | PS5 | <クラウドストリーミング> •720p(HD) :13Mbps以上 •1080p(Full HD) :23Mbps以上 •2160p(4K) :52Mbps以上 |
|
| 電子メール※4 | •受信:1Mbps (128Kbps以上あればテキスト通信は受信可能) •送信(写真):3Mbps |
||
※1)
https://help.webex.com/ja-jp/article/WBX22158/Cisco-Webex-Meetings-でビデオを送受信するための最小帯域幅要件は?![]()
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/prepare-network![]()
https://support.zoom.com/hc/ja/article?id=zm_kb&sysparm_article=KB0060761![]()
※2)
https://support.google.com/youtube/answer/78358?hl=ja![]()
https://support.google.com/youtube/answer/2853702?hl=ja![]()
https://help.netflix.com/ja/node/306![]()
※3)
https://blog.ja.playstation.com/2023/10/17/20231017-psplus/![]()
※4)
https://service.ocn.ne.jp/hikari/column/speed/esttimated-internetspeed/![]()
https://www.ntt.com/business/services/application/online-storage/bst-sh/lp/article-online-storage-transfer-speed.html![]()
通信速度の低下は、通信事業者の環境だけではなく、利用者が使用している端末や周辺機器の規格等の宅内環境も原因となりえます。
図3に、宅内環境におけるボトルネックとなる箇所とその改善方法の例を紹介します。なお、速度低下の原因やその改善方法は実際の環境によって異なり、また複数の原因が重なって通信速度が低下している場合があることにご留意ください。
<図3> 宅内環境におけるボトルネック(速度低下の原因)と改善方法の例
