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第2部 基本データと政策動向
第1節 総合戦略の推進

(4)IoT/データ利活用の推進

ア IoT利活用の推進
(ア)IoTサービス創出支援事業(身近なIoTプロジェクト)

総務省は、前述の情報通信審議会の「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方について」中間答申(第一次〜第四次)に基づき、IoTサービスの地域実証に基づくルール整備等を通じたデータ利活用の促進に取り組んでいる。

具体的には、地方公共団体、大学、ユーザー企業等から成る地域の主体が、農林水産業、医療・福祉、シェアリングエコノミーなど生活に身近な分野における先導的なIoTサービスの実証事業に取り組み、地域の課題解決に資するリファレンス(参照)モデルを構築するとともに、データ利活用の促進等に必要なルールの明確化等を行っている。平成29年度は、平成28年度補正予算及び平成29年度当初予算を活用し、全国各地で26件の実証事業を実施した。平成30年度においても引き続き、地域における先導的なIoTサービスの創出に取り組むとともに、これまでに実施した事業の成果の普及・展開を推進する予定である。3

(イ)地域IoT実装推進タスクフォース

総務省では、IoT等の本格的な実用化の時代を迎え、これまでの実証等の成果を日本全国の地域の隅々に波及させるため、平成28年9月から「地域IoT実装推進タスクフォース」を開催しており、同年12月に、「地域IoT実装推進ロードマップ(平成29年5月、平成30年4月改定)」及び「ロードマップの実現に向けた第一次提言」4が、さらに、平成29年5月に、「第二次提言」5が取りまとめられた。総務省では、これらの提言を踏まえ、自治体、民間企業等が様々な形で連携する「総合的推進体制」の確立、及びIoT実装に取り組む地方自治体への補助を行う「地域IoT実装推進事業」を始めとした、地域の状況や取組の発展段階に応じて選択可能な「地域IoT実装総合支援」の創設を行った。同年7月に、総合的推進体制の確立の一環として、IoT推進に意欲的な地方自治体、IoTビジネスの地域展開に熱心な地方自治体、民間企業等が連携し、地域におけるIoT実装を強力に推進するため「地域IoT官民ネット」が設立された。

(ウ)IoTネットワーク運用人材育成事業

IoT/ビッグデータ時代のネットワークは、センサー等のネットワークに接続される機器の爆発的な増加や流通するデータの多様化により、トラフィックの急激な変動等が生じることが予想される。このため、SDN/NFV等のソフトウェア技術を用いて、迅速かつ柔軟に通信経路の迂回や容量拡大等の制御を行う必要があり、この技術を活用してネットワークを運用・管理する人材が必要とされている。総務省は、そのような人材を育成する環境基盤を整備し、基盤の構築・運用を通して人材育成を図り、求められるスキルの明確化やその認定の在り方を検討するため、平成29年度からIoTネットワーク運用人材育成の実証実験を実施している(図表6-1-2-4)。

図表6-1-2-4 IoTネットワーク運用人材育成事業
イ オープンデータ流通環境の整備

官民データ活用の推進を目的とする「官民データ活用推進基本法」(平成28年12月14日公布・施行)においては、政府、自治体等が保有するデータについて、国民が容易に利用できるよう必要な措置を講ずるものとされている。政府、自治体等が保有するデータのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、①営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの、 ②機械判読に適したもの、③無償で利用できるものの3点に該当するデータがオープンデータと定義6されている。

特に、自治体のオープンデータについては、地域における新事業・新サービスの創出、行政サービスの高度化等を実現し、地域の経済活性化、課題解決等に寄与するものとして期待されている。このような観点から、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(平成29年5月30日閣議決定)において、2020年度までに自治体のオープンデータ取組率100%とする目標が定められたところであり、総務省では、平成24年度より、公共交通、地盤、公共施設等の様々な分野におけるオープンデータ利活用の実証実験や一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)7等の関係団体や関係府省等との連携を通じて、オープンデータの公開側・利活用側のためのガイド等の策定・改定(オープンデータのための標準化の推進)、オープンデータの有効活用につながるユースケースの構築、オープンデータ伝道師や地域情報化アドバイザーと連携して自治体のオープンデータ化の促進等の取組を進めてきた。

他方、平成30年4月時点でオープンデータに取り組んでいる自治体は1788団体中343団体(全体19%)にとどまっている。内閣官房が実施したアンケート8によれば、「オープンデータの効果・メリット・ニーズが不明確」、「オープンデータを担当する人的リソースがない」といった課題が挙げられている。これらの課題を踏まえ、総務省では平成30年度から、自治体等の職員がデータ利活用の意義やデータ公開に関する知識・技術を体系的に習得できる研修や、自治体が保有するデータと民間の利活用ニーズのマッチング等を行っていくこととしている(図表6-1-2-5)。

図表6-1-2-5 オープンデータ流通環境の整備
ウ AIネットワーク化の推進

人工知能(AI)は、インターネット等を介して他のAI、情報システム等と連携し、ネットワーク化されること(AIネットワーク化)により、その便益及びリスクの双方が飛躍的に増大するとともに、空間を越えて広く波及することが見込まれている。

総務省は、平成28年10月に「AIネットワーク社会推進会議9」を立ち上げ、平成29年7月に、AIの開発において留意することが期待される事項を整理した「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案」やAIシステムの具体的な利活用の場面(ユースケース)を想定したインパクト及びリスクに関する評価(シナリオ分析)をその内容とする「報告書2017」を取りまとめ、公表した10

総務省では、その成果を踏まえ、AIネットワーク化に関する国際的な議論を進めている。同年秋以降に行われた主な国際的な議論は次のものがある。今後も、各国政府や国内外の関係機関と連携して、AIに関する国際的な議論に積極的に貢献したいと考えている。

・同年9月に、トリノ(イタリア)で開催されたG7情報通信・産業大臣会合の成果文書(閣僚宣言・附属書2)において、「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案」が取り上げられた。11

・同年10月に、パリ(フランス)において、OECD・総務省の共催によりAIに関する国際カンファレンスが開催され、世界各国の産学民官の有識者が一堂に会し、AIの研究開発の現状、AIの影響・リスク、政策の役割、国際協調等について報告・議論が行われた。12

・同年11月にパリで開催されたOECDのデジタル経済政策委員会において、OECDの今後の取組として、加盟国の意向を踏まえつつ、平成31年以後に理事会勧告の作成に向けた作業に着手すること等について、加盟国の同意が得られた。

・平成30年3月に、モントリオール(カナダ)で開催されたG7・イノベーション大臣会合の成果文書(議長サマリー・附属書B)において、「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案」が取り上げられた。13

また、推進会議において、AIネットワーク化の進展に伴い形成されるエコシステムの展望に関する検討やAIの利活用において留意することが期待される事項に関する検討等を進めている。これまでの検討を踏まえ、平成30年6月に「AI利活用原則案」を含む「報告書2018(案)」を取りまとめ、広く意見募集を行った。

AIの利活用において留意することが期待される事項に関し、報告書(案)においては、「AI利活用原則案」を非規制的かつ非拘束的なものとして、また、国際的な議論のためのものとして取りまとめるとともに、各原則の内容に関する論点を整理している。「報告書2018」の公表後、整理された論点について引き続き検討を進め、最終的なアウトプットを取りまとめる予定である。



3 身近なIoTプロジェクト:http://www.midika-iot.jp/別ウィンドウで開きます

4 「地域IoT実装推進ロードマップ」及び「ロードマップの実現に向けた第一次提言」:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000129.html別ウィンドウで開きます

5 「地域IoT実装推進ロードマップ(改定)」及び「ロードマップの実現に向けた第二次提言」:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000164.html別ウィンドウで開きます
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000142.html別ウィンドウで開きます

6 オープンデータ基本指針(平成29年5月30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定):https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/data_shishin.pdfPDF

7 一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構:http://www.vled.or.jp/別ウィンドウで開きます

8 オープンデータの取組に関する自治体アンケート結果(平成28年12月実施):
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/opendata_lg_enquete_201612.xlsxEXCEL

9 AIネットワーク社会推進会議:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/index.html別ウィンドウで開きます

10 「報告書2017」:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000067.html別ウィンドウで開きます

11 G7情報通信・産業大臣会合:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000103.html別ウィンドウで開きます

12 OECD・総務省共催によるAIに関する国際カンファレンスの開催:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000090.html別ウィンドウで開きます

13 G7雇用・イノベーション大臣会合:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000117.html別ウィンドウで開きます

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