昭和61年版 通信白書

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1 通信ネットワークの発展

 我が国の通信ネットワークは,明治2年の電信事業,同4年の郵便事業の創業以来,国民生活に不可欠なインフラストラクチャーとして大きく発展してきた。
 郵便については,明治5年にほぼ全国をカバーする郵便網が完成し,その後,郵便物数の増大に応じた郵便局の増設,作業の効率化を目指した郵便番号制度の導入等により,郵便網の向上が図られた。
 電気通信については,電話事業が明治22年に開始され,明治末期には,ほぼ全国的な電話網が形成された。また,昭和46年の公衆電気通信法(以下「公衆法」という。)の改正により,データ通信やファクシミリ通信が電話網等を利用して行えるようになるとともに,これらの非電話系通信に対する需要の増大に伴って,ディジタルデータ交換網(以下「DDX網」という。)やファクシミリ通信網等の新しい通信ネットワークが構築されるようになった。この間,25年に電波法が施行され,電波が広く国民の利用に開放されるとともに,28年の有線電気通信法の施行により,自営電気通信ネットワークの構築も可能となった。これにより,市民ラジオ,簡易無線,さらに,データ通信システム等の多種多様な電気通信ネットワークが構築されるようになった。
 また,放送については,無線通信の登場により,従来の一対一の通信の概念を変えたラジオ放送が大正14年に開始された。さらに,テレビジョン放送が昭和28年に開始され,テレビジョン放送の全国普及を目指した周波数割当の実施,送信の標準方式が施行されたことによるテレビジョン受像機の量産化等により,35年ごろにはほぼ全国的なテレビジョン放送網が形成された。
 一方,こうしたテレビジョン放送網の全国拡大に伴って,受信が困難な地域に対するテレビジョン放送サービスの提供が課題となり,これを改善すべくCATVが登場するようになった。CATV網は,その後,放送の補助手段としての利用から,その地域密着性という特徴を生かして,自主番組を提供する独自のネットワークへと発展していった。
 通信ネットワークの歴史について,その概略を第2-2-1表に,また,現 在の我が国の通信ネットワークを郵便,電気通信,放送及び有線放送の分野ごと に整理したものを第2-2-2表に示す。

第2-2-1表 通信ネットワークの歴史

第2-2-2表 主要な通信ネットワーク
 

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