昭和61年版 通信白書

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5 新たな人材と資格制度

 電気通信の自由化に伴い,企業自らがその創意工夫によって通信システムを構築し,これを利用することにより,販売・流通体制の強化,オフィス業務の効率化・高度化等を図ることが可能となった。また,通信システムを構築するために高度な通信関連技術の開発・利用が進められている。
 今後は,情報化の進展や電気通信の自由化に伴い,あらゆる企業において,情報の伝送・交換のみならず処理をも可能とする高度かつ多様な通信システムの構築がますます進展していくものと予想される。企業が効率的かつ安全な通信システムを構築するためには,情報通信分野の専門的知識・ノウハウのみならず幅広い分野の知識を有する人材からの助言がますます必要となる。
 したがって,今後,企業自らがその目的に即した高度な通信ネットワークを構築し,自由に使いこなしていくためには,情報通信分野の専門的知識・技能のみならず幅広い分野の知識をもち,通信システムの開発,設計,運営,利用等に関する助言を行い得る,情報通信コンサルタントとも言うべき人材が必要になるものと考えられる。
 また,企業においては,通信システムの安全性・信頼性の確保のみならず,経営の合理化の観点から,そのシステムが適正に機能し得るかどうかを確認するため,通信システムの経済性,妥当性,効率性,有効性等を総合的に点検・評価する必要性が高まってくる。
 したがって,企業における電気通信システムを経済性,妥当性,効率性,有効性等の面から総合的に監査し,公正な立場で助言・勧告を行い得る電気通信システム監査者とも言うべき人材が今後必要になるものと考えられる。
 高度情報社会の実現に向けて,これらの人材を広く内外において育成するため,新たな資格制度を創設することについて,国として検討を進めていくことも必要となろう。

 

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