昭和63年版 通信白書

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1-1-1 概  況

 62年の通信は,電気通信分野において,活発な新規参入が続いて行われ,また,各分野の新しいサービスが大きく伸びるなど順調に推移している。

 (1)通信事業者の動向

(通信事業者数)
 62年度末における主な通信事業者数は,<1>-1-1-1表のとおりである。
 62年度も,電気通信事業分野に多数の参入があった(<1>-1-1-2表参照)。
 第一種電気通信事業者については,62年度に22社が事業許可を受け,62年度末現在35社である。62年度の特徴は,無線呼出しサービスへの多数の参入と自動車電話や国際通信分野への参入が許可されたことである。
 このうち,地域系事業者については,62年12月,中部テレコミュニケーション(株)が,事業許可を受け,4社となった。
 無線呼出しについては,62年度に16社が事業許可を受けて,62年度末現在,18社となった。
 自動車電話分野については,63年2月,日本移動通信(株)及び関西セルラー電話(株)が,事業許可を受けた。
 また,63年3月,船舶及び携帯の電話サービスを行う東京湾マリネット(株)が,事業許可を受けた。
 国際通信分野については,62年11月,日本国際通信(株)及び国際デジタル通信(株)が事業許可を受けた。
 第二種電気通信事業分野についても,引き続き活発な参入が行われている。
 特別第二種電気通信事業者は,62年度末現在18社である。このうち,国際特別第二種電気通信事業者は,10社である。
 また,一般第二種電気通信事業については,62年度末現在512社が届出を行っている。
 放送事業者は,FM放送の開局により一般放送事業者(民間放送)が前年度から2社増加したことにより,152社となった(<1>-1-1-3表参照)。
 また,CATV事業者のうち,許可施設(引込端子数501以上)に係るCATV事業者は,62年度に19事業者増加し,453事業者(709施設)となった。
(通信事業の売上)
 通信事業者の売上高をみると,NTT及びKDDについては,62年度も,61年度に続いて順調に増加している。62年度上半期には,前年度上半期を上回る収益をあげている。また,63年度も62年度を上回る収益を計画している(<1>-1-1-4表参照)。
 新第一種電気通信事業者5社の売上高は,62年度上半期約29億円となっている。これは,NTTの売上高(2兆7,670億円)の約千分の1にとどまっており,長距離系3社の売上高も各社8〜10億円となっている。電気通信事業に関しては,国内を一つの市場とみると,新事業者のサービスが始まったばかりであることなどから,NTTが圧倒的なシェアを占める極高位集中型となっている。

(2)通信関連産業の動向

 通商産業省の「生産動態調査」によれば,62年の通信機械器具及び無線応用装置の生産額は,対前年比14.7%増の2兆2,966億円であった(<1>-1-1-5図参照)。その中では,搬送装置,交換機,電信・画像装置の生産額が大きく伸びている。また,62年の電子計算機の生産額は,対前年比12.4%増の4兆4,066億円であった。
 通信ケーブルのうち,62年の銅線ケーブルの出荷額は,(社)日本電線工業会資料によると,対前年比26.0%増の1,508億円であった。
 通商産業省の「資源統計月報」によれば,62年の電線・ケーブル用光ファイバ製品の生産量は,90万3千キロメートルコアであり,このうち光ファイバケーブルは35万6千キロメートルコアであった。
 62年の総広告費は,内需の拡大を受けて前年の伸び率を大きく上回り,対前年比8.1%増の3兆9,448億円であった(<1>-1-1-6表参照)。
 (社)日本新聞協会の会員である新聞社の発行する一般日刊紙の総発行部数は,62年10月現在,前年同月比2.6%増の4,983万部であり,人口1千人当たり411部の普及に当たる。

<1>-1-1-1表 主な通信事業者数

<1>-1-1-2表 電気通信事業者数

<1>-1-1-3表 放送事業者数

<1>-1-1-4表 通信事業の売上高

<1>-1-1-5図 通信機器等及び電子計算機の生産額の推移

<1>-1-1-6表 メディア別広告費(62年)

 

 

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