昭和63年版 通信白書

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1-4-1 地域の情報化における郵便局の活用

 郵便局は,国民生活に最も密着した国の機関であり,全国のいかなる地域にも展開している。また,郵便局は最も伝統的な通信拠点であり,各地域に浸透している。
 ここでは,情報化を進める上での郵便局への期待や課題について概観する。

 (1)地域の情報化における郵便局への期待

 郵政省の調査によれば,情報化を進める上での郵便局の活用に対し,地域を問わず高い期待が寄せられている(<2>-1-4-1図参照)。
(全国的ネットワークに対する期待)
 「全国の郵便局を結んだ情報ネットワーク」に関しては,都市規模に関係なく最も高い期待が寄せられている。
 全国的なネットワークは,地域の情報化を進める上で基本的な機能であり,ネットワークを生かした地域の情報と全国の情報の交流拠点として,最も期待されている。
(町村部における期待)
 町村部においては,「ふるさと小包の充実」に対する期待が高い。
 町村部では,ふるさと小包を活用した地場産業の掘り起こしにより,地域経済の発展の引き金として寄与することが期待されている。
(都市部における期待)
 「ニューメディア機器の設置」及び「郵便局の高層化」に関しては,都市規模の大きい地域で期待が高い。
(区部における期待)
 区部では,「行政からのパンフレットの掲示」及び「サークル等のパンフレットの掲示」に対する期待が他の地域に比べ際立って高い。

 (2)地域の情報化を進める上での郵便局の課題

 地域の情報化を進める上で,地域の特性を反映したニーズにこたえることが郵便局の課題となっている。
 ア 地域の情報と全国の情報の交流拠点
 地域の情報化を促進する上で,情報の収集及び発信は大きな問題であり,特に,地域情報の全国に向けての発信が課題となっている。
 全国に2万以上の拠点をもつ郵便局は,地域の情報を全国に向けて発信する情報拠点としての期待が大きい。また,地域に密着している郵便局は,全国から収集した情報を地域住民に提供する機関としても期待が高い。
 情報の交流拠点としての郵便局を実現するためには,地域の発展につながる各地域独自の情報内容の開拓や,それらの情報の収集及び全国に向けての発信方法等が,今後の課題である。
 イ 地域のふれあいの場
 全国に2万以上のポイントをもち,地域と密着した関係をもつ郵便局は,地域の情報を収集し,地域の住民に対してその地域内の情報を提供することが課題となっている。
 地域のふれあいの場としての郵便局の一層の活用を図るためには,地域住民のニーズにこたえ,また,各地域の実状に合わせた郵便局の活用方策の検討が必要である。
 ウ 地方公共団体と郵便局の連携の強化
 郵便局は,情報拠点として地域情報化の一層の促進に貢献できるものと期待される。
 地域の情報化の第一歩としては,地域住民の情報化に対する理解が重要である。
 今後,情報化の推進のために,郵便局は,地方公共団体との連携を強化し,地方公共団体等の主催するイベントへの参加や情報化を体験できるニューメディア機器の設置等の,地域住民の情報化に対する理解の促進に向けての方策を,総合的に検討していくことが課題となろう。

 

<2>-1-4-1図 情報化を進める上での郵便局の利用(複数回答)

 

 

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