第1章 昭和63年通信の現況
(2)通信と放送の境界領域的サービスの在り方の検討
平成元年に相次いで打ち上げられる2つの民間通信衛星を利用し,多様なサービスの提供の準備が進められているが,それらのサービスの中には,不特定多数に対して同時に,直接受信させることを目的とするサービスもあり,従来の放送と同様のサービスも含まれている。
このため,郵政省では,63年8月より開催した「通信と放送の境界領域的サービスに関する研究会」において,通信衛星を利用した境界領域的サービスへの対応の在り方について先行的に検討を進め,平成元年2月に中間報告が提出された。
中間報告では,通信衛星を利用した各種のサービスは,既存の通信・放送秩序との調和を考慮し,通信と放送に区分して各々その発展を図ることが望ましい。その際,通信衛星を利用した放送サービスについては,放送サービスを行おうとする者が,放送設備について管理運用責任を負わずに放送に参入し,容易に事業展開ができるようにするため,「放送設備を支配し,管理運用する者」と「放送番組を編集する者」に分ける制度の創設が提案されている。
郵政省では,この中間報告を踏まえ,通信衛星による放送サービスが円滑に実施できるように図り,放送の一層の多様化を推進することとしている。
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