第2章 重層情報社会の形成と通信
(3)地域の社会面における活用
(水道の遠隔自動検針システム 諏訪地域広域市町村圏)
諏訪地域広域市町村圏では,49年からレイクシティ・ケーブルビジョン(株)がCATV網の建設を積極的に進めた結果,平成元年3月現在,ケーブル総延長約1,000km(うち光ファイバケーブル50km),加人世帯数約4万2千世帯という,我が国でも有数のCATV網が構築されている。
同市町村圏のCATV網は,再送信や自主放送等の多彩な映像情報を提供しているが,岡谷市では,このCATV網を利用して,水道の遠隔自動検針や水源地の集中監視を行っている。
水道の遠隔自動検針システムは,市内564か所の家庭・企業を結び,61年4月から試験的に運用されている。このシステムでは,給水量をコンピュータにより把握し,漏水,水道メータの凍結障害及び水没障害を早期に発見することができる。また,CATV網を利用するため,新たなデータ回線網を構築する必要がなく,各家庭を検針のために巡回する検針員が不要になるなど,経済的な利点も多い。
また,同市では,CATV網を利用して,水源の集中監視システムを59年に構築し,水源の高度な運用・管理のための基礎データの収集,水源地の異常事態に対する迅速な対応に活用している。
このような情報通信システムを活用した,公共事業の効率化は,地域住民の生活利便の向上をもたらし,地域の活性化をもたらしている。
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