第1章 昭和63年通信の現況
(5)全世界的な海上遭難安全システムの導入
全世界的な海上遭難安全システム(GMDSS)導入のため,1974年海上人命安全条約(SOLAS)締約政府会議が,63年10月から11月に,66か国の参加により英国の1ンドンで開催された。
この会議により,GMDSSを導入するための,1974年SOLAS条約改正案が審議・採択された。GMDSSは,衛星通信技術やディジタル通信技術等を利用した自動化システムにより,船舶がどの海域を航行していても遭難安全通信を可能とする海上遭難安全システムである(第1-4-11図参照)。無線電信を主体した,現在の船舶の相互救助を基本とする遭難救助体制に比べ,海上と陸上が一体となった,より迅速かつ効果的な捜索救助活動を可能とするシステムである。
GMDSSは,1992年から締約国で段階的に導入され,1999年にはその導入が完成する見込みとなっている。
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