平成17年版 情報通信白書

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第1章 特集 「u-Japanの胎動」

第1節 国民・企業のユビキタスネットワーク利用

第1節の要旨

 u-Japanとは、今後本格化する少子高齢化社会の中での様々な課題がICTによって解決された2010年の我が国の姿を指す。
 その理念は、「ユビキタス(あらゆる人やモノが結びつく)、「ユニバーサル(高齢者等でも簡単に利用できる)」、「ユーザー中心(利用者の視点が融けこむ)」、「ユニーク(個性ある活力が湧き上がる)」の4つからなるが、その中心は「ユビキタス」であり、「人と人」だけでなく、「人とモノ」、「モノとモノ」のコミュニケーションが簡単になされるところが特徴である。
 第1節においては、こうしたユビキタスネットワークへの国民の期待、企業のユビキタスネットワークの利用動向、ユビキタスネットワークの活用事例における利用者の評価、満足度等について、米国及び韓国との比較も交えつつ、分析を行った。

【国民のユビキタスネットワークへの期待】
○ ユビキタスネットワークの有する様々な効果のうち、国民は特に「安心・安全」に期待している。

【企業のユビキタスネットワークの利用動向】
○ この1年で企業の電子タグ、非接触ICカード、新たにネットワーク機能が備わった機器等(ユビキタスツール)の利用は大きく進展している。
○ 米国や韓国の企業もユビキタスツールの導入に積極的に取り組んでいる。ユビキタスツールを導入している/導入を予定又は検討している企業の割合は、企業内/企業間業務では、日本は「非接触ICカード」、米国は「新たにネットワーク機能が備わった機器」、韓国は「電子タグ」が高くなっている。また、一般消費者向け商品/サービスでは、すべてにおいて韓国が高く、次いで日本となっている。

【ユビキタスネットワークの活用事例】
○ 非接触ICカード機能搭載携帯電話によるサービス、電子タグを利用したサービス、ホームセキュリティサービスなどの利用者(体験者)の評価、満足度、利用継続意向は高く、今後、こうしたサービスは社会に普及するとの認識である。
○ 和歌山県のある小学校における電子タグによる登下校時間の記録及び電子メールによる保護者への通知等を内容とする実証実験の参加者は、実証実験の取組全体を通して安心が高まったとする人が多く、今後、こうした取組が必要と考える人が大半を占めている。
○ 図書館の書籍への電子タグの貼付により、貸出業務、書籍管理業務の効率化が実現されている。
○ 車両の動態管理のためにGPS機能付携帯電話の位置確認機能を利用したシステムを導入したり、生産工程に非接触ICカードを導入することにより、企業内業務の効率化が実現されている。

【今後の日本の課題とユビキタスネットワークによる解決策】
○ 2010年に向けて日本社会が取り組むべき重要テーマとしては、「安全・安心な生活環境の実現」が最も多く、次いでエネルギー、医療、環境等が続いている。こうした課題に対するユビキタスネットワークによる解決策の萌芽例も出てきており、今後、ビジネスモデルの確立等の前提条件をクリアしつつ、社会に普及することが期待される。

 第1節 国民・企業のユビキタスネットワーク利用

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