平成17年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(5)移動通信システムの高度化に向けた取組

ユビキタスネット社会を支える移動通信システムや電子タグシステムの推進

1 第3世代携帯電話システムの高度化

 第3世代携帯電話システム(IMT-2000:International Mobile Telecommunications-2000)は、NTTドコモグループ、KDDIグループ及びボーダフォンの3グループによる提供が本格化している。
 総務省では、近年の高速のデータ通信ニーズを受け、第3世代携帯電話システムの技術の進展について調査等を行うとともに、最大14Mbps程度の高速データ伝送が可能なW-CDMA方式の高度化技術であるHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)技術の導入に関する検討及び800MHz帯におけるW-CDMA方式の導入に関する検討を行うため、平成15年10月に情報通信審議会において審議を開始し、平成16年5月に一部答申を受けた。総務省では、この一部答申に基づき平成16年7月、無線設備規則の一部改正等について電波監理審議会へ諮問し、同年9月に適当であるとの答申を受けたことを踏まえ、関係省令等を制定している。

2 第4世代移動通信システムの研究開発・国際標準化

 IMT-2000の次の世代となる、いわゆる第4世代移動通信システムを含む「新世代移動通信システム」について、2003(平成15)年6月の国際電気通信連合(ITU)無線通信総会において、IMT-2000後継システムに関する実用時期・コンセプト等が、フレームワーク勧告として正式に承認された。また、同年7月、ITUの世界無線通信会議(WRC-2003)において、IMT-2000後継システムの周波数関連事項についての検討がWRC-2007の議題に設定された。総務省では、第4世代移動通信システムについて、2010(平成22)年頃の実用化をめざして、産学官の連携のもと、研究開発及び国際標準化に向けた取組を積極的に推進している(図表[1])。

 
図表[1] 第4世代移動通信システム

図表[1] 第4世代移動通信システム

3 UHF帯電子タグシステムの実現

 総務省は、高出力型950MHz帯パッシブタグシステムの技術基準の制定及び周波数割当に関する無線設備規則の一部改正及び周波数割当計画の一部変更について、平成17年3月の電波監理審議会答申を受けて、同年4月に当該省令等の改正を行った。これによって、従来の135kHz帯、13.56MHz帯及び2.45GHz帯に加え、比較的長距離の通信が可能で新たな利活用へとつながる可能性のある950MHz帯での電子タグの利用が可能となった(図表[2])。なお、今回の改正は特にニーズの高い高出力型についてのみであり、引き続き、免許不要の低出力型950MHz帯パッシブタグシステム及び433MHz帯アクティブタグシステムの技術的条件について検討を行っている。

 
図表[2] パッシブタグシステムの基本的な機能

図表[2] パッシブタグシステムの基本的な機能

 第3節 情報通信ネットワークの高度化

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