平成17年版 情報通信白書

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第1章 特集 「u-Japanの胎動」

(9)生産管理のための非接触ICカードの利活用

生産工程での非接触ICカード利用により、生産性が10%以上向上

 パソコンは多品種変量生産商品であるため、パソコン生産を行う某企業の工場では約2万モデルの取り扱いを行っている。このうち、1台しか生産しないモデルが半数にも上り、10台未満の生産が約80%となっている。
 従来の生産工程では、1台のパソコンに対して一枚の生産指示書を割り当て、生産ラインの各担当者は生産指示書上の該当箇所を見て、仕様、注意事項等を確認しつつ作業を行ってきたが、生産指示書上の該当箇所を確認するのに手間がかかっていた。また、生産管理のため、組立、検査、出荷等の各工程において、生産指示書に記載されたバーコードを読み取っていたが、この読取作業が1日当たり約10万回にも達していた。
 このため、生産指示書の内容確認の容易化、バーコード読取作業の削減、トレーサビリティの強化等を目的として、平成16年9月、非接触ICカードの導入が行われた。なお、カードの表面にはシステムダウン時の使用にも備えて2次元バーコードも印字されている。
 非接触ICカード導入後の生産工程では、1台のパソコンに対して1枚の非接触ICカードが割り当てられ、生産ラインの各担当者がカードをリーダーの上に置くと、ディスプレイに該当箇所が表示され、一目で作業内容を確認できるようになった。また、組立・検査工程での製造履歴や検査結果などのデータが自動的に保存できるようになり、トレーサビリティが強化された。さらに、出荷前に複数の非接触ICカードを一括して読み取ることで出荷・配送作業が大幅に効率化された。以上のような効果により、従来に比べ生産性が10%以上向上した(図表)。

 
図表 システム導入前と導入後

図表 システム導入前と導入後

 第1節 国民・企業のユビキタスネットワーク利用

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