事例15:自分の名前で勝手に書き込みが・・・

  Aさんは、地方自治体の相談窓口のホームページに「トラックとナイフで無差別殺人をする」という内容の犯行予告を投稿したという威力業務妨害の容疑で逮捕されました。

  この事件の捜査において、ホームページの通信記録に残っていたIPアドレスから、Aさんのパソコンが特定されたため、逮捕されたのです。Aさんは、取り調べの中では容疑を否認しましたが、1ヶ月弱拘留され、ようやく釈放されました。

  この事件で、Aさんは実際の犯人ではありませんでした。Aさんのパソコンはインターネットの掲示板でコンピュータウイルスに感染し、真犯人がAさんのパソコンを遠隔操作して、ホームページへの犯行予告の書き込みをしたため、本人の自覚がないまま犯罪に加担させられてしまったのです。そのため、Aさんが犯行予告の書き込みをしたように、通信記録が残っていたのです。

  このように、インターネットのホームページや掲示板には、正規のアプリケーションに見せかけたコンピュータウイルスが置かれていることがあります。それを念頭に、あやしいホームページからはファイルをダウンロードしないなど、インターネットの利用には注意しなければなりません。