電子メールの誤送信

  電子メールは、企業や組織において、日常的にもっとも利用するツールの1つですが、宛先アドレスの間違いや、メールアドレスの表示方法の誤操作といったミスによる情報漏洩(ろうえい)が頻繁に発生しています。

電子メールの誤送信

  宛先アドレスを誤って入力してしまう原因の1つとして、オートコンプリートと呼ばれる自動補完機能によるアドレスの誤入力があります。オートコンプリートは、文字入力を補助する機能の一つで、過去の入力履歴を参照して次の入力内容を予想し、候補を表示してくれます。電子メールでは、メールアドレスの先頭の部分を入力するだけで自動的に全部の文字列が入力される便利な機能です。しかし、この機能で表示されたメールアドレスをよく確認せず、間違った宛先を指定して送信してしまうというケースがあるので、注意が必要です。

  また、よくある誤送信の例としては、TO: CC:BCC: の使い方の誤りによるものがあります。電子メールの宛先欄には、この3つの種類がありますが、それぞれ目的に応じて使い分けます。

  まず、TO: (宛先)には、メ-ルを送る主体の相手のメールアドレスを入力します。

  次に、CC: はカーボン・コピー(Carbon Copy)の略で、宛先の相手へ送った内容について、他の人にも知らせたい、という場合に使います。

  BCC: は、ブラインド・カーボン・コピー(Blind Carbon Copy)の略で、CC: と同様に宛先の相手へ送った内容について、他の人にも知らせたい場合に使いますが、ここに入力されたメ-ルアドレスは受信者には表示されません。他の受信者がいることや、他の受信者のメ-ルアドレスをわからないようにしたい場合は、BCC: を使用します。

  よくある誤りが、CC:BCC: の取り違いです。本来は、BCC: で送るべきところを CC: で送ってしまったことにより、受信者に他のすべての受信者のメ-ルアドレスがわかってしまう、という事例が多く発生しています。電子メールを送る際は、宛先のメールアドレスと送信欄(TO:CC:BCC:)が自分の意図した通りになっているか、確認をしてから送るようにしましょう。

  さらに、メールの誤送信の影響が大きくなるのは、多くの宛先に対して同時にメールを送信したいときです。この場合、宛先欄に大量のメールアドレスを入力することになりますが、途中で TO:CC:BCC: 欄を取り違えて入力してしまい、そのままメールを送信して情報漏洩(ろうえい)となる事例が多く見られます。
  このようなときには、通常利用しているメールソフトは使用せず、通信事業者が提供する専用の同報メールサービスを利用することなども検討し、誤送信による事故を起こさないようにしましょう。