発信内容は慎重に

 SNSなどのツールは、日常生活の中で、リアルタイムでの個人の思いなどを投稿できる点が大きな魅力です。しかし、その一方で、個人の何気ない発言でも、インターネット上の発言やふるまいは、多くの人の目に触れる可能性があり、場合によっては、現実世界に大きな影響を与えることがあります。

  例えば、ある職員が勤務時間中にしたSNSへの投稿が、本来は秘密にするべき職務の内容を外部に漏らしてしまう結果となり、インターネット上で職員自身に非難が集中したり、その組織全体の問題として取り上げられる事例が発生しています。このような場合、しばしば、インターネット上のその問題に関心を持つ人の間で責任追及活動が行われ、その過程で、非難の対象となった個人の特定・暴露や、誹謗中傷などの大量の書き込み(いわゆる「炎上」)などの行為が行われます。そして、インターネット上でこのような現象が発生した場合には、新聞やテレビなどのマスメディアで報道されることも珍しくありません。

  こういった危険性を回避するためには、まずは自分のインターネット上での発信内容が、本来秘密にすべき事項を含んでいないか、現実世界でも非難を浴びるような内容でないかなど、毎回立ち止まって考える慎重さが必要です。

  さらには、こうした個人の特定が行われるのは、SNS上の情報発信だけではありません。悪ふざけのつもりで投稿された動画から、投稿者の特定が行われ、現実世界での謝罪に至った事例も発生しています。今やインターネットは匿名の空間ではなく、インターネット上の行動は特定されてしまうものだといういことを自覚することが必要です。