事例6:ネットストーカーに注意

  Nさん(女性)は、SNSでプロフィールや自分の写真、近況などを投稿し、すべての人に公開していました。Nさんは、自分の投稿を見た人たちから寄せられるコメントやメッセージを毎日楽しみにしていました。

  しかし、ある日面識のない男性から「僕とつきあってください」というメッセージが届けられました。最初は適当に返事をしたりしていたのですが、あまりにもしつこくメッセージが送られてくるため、「迷惑ですので、もうメッセージしないでください」という返事をしたときから事態が急変しました。

  次の日から、脅迫的な言葉が並べられたメッセージが次々と送られてきたり、Nさんを誹謗中傷する投稿がされたりするようになったのです。さらにしばらくすると、「おまえの住んでいる場所はわかっているんだ」というメッセージも送られてきました。そこに書かれているのは確かにNさんの住所でした。気味が悪くなったNさんは、自分のSNSアカウントを削除し、引越しを検討することになってしまいました。

  これはひとつの事例ですが、実際にこのようなネットストーカーの事件が数多く発生しています。今回は、Nさんが投稿している内容の公開範囲がすべての人になっていたり、コメントやメッセージを誰からでも受け付ける設定になっていたり、SNSで公開している投稿や写真に位置情報が付加されていたりしたことから、さらにストーカー行為がエスカレートしました。

  ネットストーカーによる被害は、電子掲示板SNSにいやがらせをされたり、大量の電子メールやメッセージを送りつけてきたりといったことだけにとどまらない場合もあります。実際に自宅にまで押しかけてきたり、後をつけまわしたりといったように、ネット上から実世界のストーカー行為に移行する例もあります。SNSの投稿範囲、コメントやメッセージの受け付け、位置情報の付加などの設定には、十分に注意しましょう。