高度情報社会とサイバーセキュリティ

 現実社会において、暴力行為や泥棒といった多様な犯罪があるのと同じように、情報通信技術が発達した社会にも、情報の盗難やコンピュータシステムの破壊といった犯罪があります。また、火事や地震、雷といった災害から機器や情報を守ることも、大切なサイバーセキュリティ対策です。これらのサイバーセキュリティ対策は、インターネットなど情報通信技術への社会の依存度が高まるにしたがって、ますます重要になってきています。

 インターネットの普及によって、離れた場所にいてもさまざまな情報をやり取りすることが日常的に行われるようになりました。そのため、個人や企業を問わず、ハッキングによるコンピュータへの侵入や情報の盗難、データの改ざんといった被害に遭う危険性が高まってきています。また、最近では、企業や組織が保有しているプライバシー情報などのデータが外部へ漏えいしてしまうというトラブルも数多く発生しています。企業や組織として、データの管理方法などのルールを策定し、その遵守を徹底しなければなりません。

 他にも、たとえば、ウイルスの対策をしていなかった場合には、感染したコンピュータが他のコンピュータにウイルスをばらまいてしまうため、自分以外の人にも迷惑をかけてしまうことになります。また、SNSやホームページにおいてプライバシー情報を扱う場合は、世界中のコンピュータが接続しているというインターネットの特性をよく理解して、細心の注意を払わなければなりません。

 すべての利用者がサイバーセキュリティに対する適切な知識を持つことこそが、誰もが安心してインターネットを利用できる高度情報社会の繁栄につながっていくのです。