平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

(2)衛星通信の利用の促進

 (VSAT(超小型地球局)衛星通信システムの普及促進)
 国内の通信衛星は、昭和63年に打ち上げられた通信衛星3号(CS-3)に加え、元年には民間の通信衛星として、JCSAT-1及びスーパーバードAが、また2年にはJCSAT-2が打ち上げられ、我が国も本格的なサテライトビジネス時代に突入した。
 今後、衛星通信の分野で一層の発展が期待できるものとして、VSAT(超小型地球局)衛星通信システムがある(第1-4-13図参照)。
 VSAT衛星通信システムとは直径1〜2mのアンテナを設置することで、簡便かつ低コストに衛星通信サービスを利用できるシステムである。既に、米国では広域的な企業ネットワークとして普及しており、我が国においても今後普及が期待されている。
 このような状況を踏まえ、郵政省では元年6月に電波法、関係省令等を改正し、双方向型のVSAT衛星通信システムについて技術基準の策定等、諸制度の整備を図った。
 また、元年11月には、電気通信事業者、利用者及びメーカー等により任意団体として「VSAT衛星通信システム普及促進協議会」が設立され、我が国におけるVSAT衛星通信システムの普及促進を目指し活動を開始している。
 (利用促進のための衛星通信技術開発の推進)
 郵政省では、衛星通信の利用を一層促進するために、「衛星通信高度利用パイロット計画」を実施し、比較的小容量で低頻度・短時間の利用に対しても簡易で経済的に行うことのできる新しい衛星通信システムの検討を行っている。
 このシステムの基礎的な技術の研究を行うため、基盤技術研究促進センターと民間12社との共同出資により、元年3月、「株式会社衛星通信システム技術研究所」が設立された。
 同研究所では、[1]多種多様な情報を効率的に伝送するための回線制御技術、[2]衛星を用いた回報通信の信頼性向上のための通信制御技術、[3]移動体通信衛星の瞬断に対応するための技術、等の研究を6年度までの計画で開始した。

第1-4-13図 VSAT衛星通信システムの概要

 

 

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