昭和57年版 通信白書

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2 有線電気通信

 有線電気通信設備の設置の態様は,単独設置,共同設置及び本邦外設置に分かれ,また,有線電気通信設備の使用の態様は自己使用,他人の設備との接続及び他人使用とに分かれる。これらの態様別の設置及び使用の状況を,有線電気通信法に基づく届出及び許可の件数の面からみると,以下のとおりである。
(1)設備の状況
 ア.単独設置
 56年度末における有線電気通信設備の届出件数は,4万530件であり,前年度に比べて3,397件(9.1%)増加している。
 その内訳は,有線テレビジョン放送設備(引込端子数が501以上の有線テレビジョン放送法に基づく許可施設354件を除く。)3万534件(75.6%),有線ラジオ放送設備(有線放送電話業務の用に供する設備776件を除く。)8,342件(20.6%),有線放送設備以外の電話,ファクシミリ等の有線電気通信設備(以下「一般の有線電気通信設備」という。)1,554件(3.8%)である。
 各年度末における設備の届出件数は,第2-3-6表のとおりである。
 イ.共同設置
 56年度末における有線電気通信設備の共同設置の許可件数は,9,488件であり,前年度に比べて110件(1.2%)増加している。
 許可事由別では共同業務(有線電気通信法第4条第4号)が7件(0.1%),緊密業務(同法第4条第5号)が9,461件(99.7%),特定地域(同法第4条第6号)が20件(0.2%)である。各年度末における共同設置の許可件数は,第2-3-7表のとおりである。
 ウ.本邦外設置本邦外にわたる有線電気通信設備の設置は,原則として,電電公社又は国際電電以外の者は設置できないが、特別の事由がある場合には郵政大臣の許可を得て設置できることになっている。
 これにより許可を行った件数は,56年度末現在で8件である。
(2)使用の状況
 有線電気通信設備の設置の自由の原則は,設置者がその設備を自己の通信に使用することを前提としているものであるが,その設備を他人の設置した設備と接続して使用したり,他人に使用させたりすることは原則として禁止されており,特別の事由がある場合に,郵政大臣の許可を得て行うことができることになっている。
 ア.接続の許可
 56年度末における許可件数は17件であり,許可事由は,すべてが有線電気通信法第9条第6号の緊密業務にょるものである。
 各年度末における接続の許可件数は,第2-3-8表のとおりである。
 イ.他人使用の許可
 56年度末における許可件数は,464件であり,前年度に比べて49件(11.8%)増加している。これを許可事由別にみると,特定地域(有線電気通信法第10条第5号)が5件(1.1%),公共の利益(同法第10条第16号)が459件(98.9%)である。
 各年度末における他人使用の許可件数は,第2-3-9表のとおりである。
 有線電気通信法上,都市からの距離が遠く,電電公社が公衆電気通信役務を提供することが困難であると認められる地域(一の市町村の区域内にあって,電話加入区域外の地域)は特定地域とされ,その地域に設定される有線電気通信設備は,特定地域設備として位置付けられている。
 この特定地域設備は,前記(1)共同設置に係るもの20件と,前記(2)他人使用に係るもの5件の合計25件である。
(3)事業別の利用状況
 有線電気通信設備は,設置主体の事業内容に応じた使用目的を持って設置されるものであるが,前述した設備について,事業別に分類すると以下のとおりである。
 乙一般の有線電気通信設備
 一般の有線電気通信設備を事業別にみると,農林漁業311件(20.0%)が最も多く,以下,製造業242件(15.6%),サービス業97件(6.2%),卸・小売業73件(4.7%),運輸業72件(4.6%),建設業56件(3.6%),ガス・水道事業51件(3.3%),その他の事業652件(42.0%)となっており,広範囲にわたって利用されている。
 なお,年度別の推移は,第2-3-10表のとおりである。
 イ.共同設置の許可設備
 56年度末における許可件数9,488件について,ごれを事業別に分けると,電気事栗5,047件(53.2%),鉄道事業3,877件(40.9%,このうち国鉄が94.4%)となってお12,この2事業で全体の94,1%を占めている。
 このほか,製造業464件(4.9%),農林漁業29件(0.3%)等となっている。
 なお,年度別の推移は,第2-3-11表のとおりである。
 ウ.接続の許可設備
 56年度末における許可件数17件を事業別にみると鉄道事業12件(70.6%),鉱業3件(17.6%),その他運輸業等2件(11.8%)どなっている。
 なお,年度別の推移は,第2-3-12表のとおりである。
 エ.他人使用の許可設備
 56年度末における他人使用の許可件数464件を事業別にみると,農林漁業177件(38.1%)、鉄道事業61件(13.2%),鉱業8件(1.7%),その他電気事業等218件(47.0%)となっている。
 なお,年度別の推移は,第2-3-13表のとおりである。

第2-3-6表 有線電気通信設備の年度別届出件数(年度末現在)

第2-3-7表 有線電気通信設備共同設置の年度別許可件数(年度末現在)

第2-3-8表 有線電気通信設備接続の年度別許可件数(年度末現在)

第2-3-9表 有線電気通信設備他人使用の年度別許可件数(年度末現在)

第2-3-10表 一般の有線電気通信設備の事業別設置状況(年度末現在)

第2-3-11表 共同設置許可設備の事業別設置状況(年度末現在)

第2-3-12表 接続許可設備の事業別設置状況(年度末現在)

第2-3-13表 他人使用許可設備の事業別設置状況(年度末現在)

 

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