昭和57年版 通信白書

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2 有線放送

 有線放送は,有線テレビジョン放送と有線ラジオ放送に大別される。
(1)有線テレビジョン放送
 有線テレビジョン放送は,主として辺地におけるテレビジョン放送の共同受信施設として普及してきたが,最近では,都市において急増している高層建築物等に起因するテレビジョン放送受信障害の最も有効な解消手段として広く利用されているほか,施設の伝送容量が大きく多目的利用の可能性を有することから,単にテレビジョン放送の同時再送信のみならず,地域社会に密着した情報等を提供する自主放送を行うものも徐々に増加しつつある。
 こうした状況を踏まえて郵政省は55年度から3か年計画で「都市の大規模有線テレビジョン放送施設に関する開発調査研究」に着手し,都市における複数の有線テレビジョン放送施設を接続し大規模施設として技術的・経済的に最適なシステムを構成するための開発調査研究を進めているが,56年度は23GHz帯の電波を用いたマイクロ波伝送実験等を行い,その調査研究結果を57年3月「都市の大規模有線テレビジョン放送施設に関する開発調査研究報告書(有線テレビジョン放送施設の接続によるシステム性能に関する開発調査研究中間報告)」に取りまとめた。
 また,この調査研究の一環として大規模化した有線テレビジョン放送施設における利用方法についても調査研究を行い,その結果を57年3月「大規模有線テレビジョン放送施設における利用方法に関する調査研究報告書」に取りまとめた。
 56年度末現在における許可又は届出済みの有線テレビジョン放送施設の総数は,3万988施設(対前年度比9.3%増),受信契約者の総数は,333万4,535(対前年度比10.9%増)である。
(2)有線ラジオ放送
 有線ラジオ放送は当初,ラジオ放送を共同で聴取するものから始まったが,その後,農山漁村において地域情報を伝達するためのもの,都市において飲食店等に音楽を放送するためのもの,街頭において広告宣伝を行うためのものなどが次第に発達してきた。
 56年度末現在における有線ラジオ放送施設数は9,120施設であるが,このうち778施設(8.5%)は,農山漁村において有線ラジオ放送業務に電話業務を併せ行う有線放送電話業務用の施設である。

 

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