昭和57年版 通信白書

昭和57年版通信白書の発表に当たって

　近年，通信関連技術の目覚ましい進展と利用者二-ズの高度化・多様化を背景として，新しい通信サービスが出現しつつあります。社会の情報化の進む今日，国民生活，企業活動の分野での通信の果たす役割は，ますます大きくなってきており，これら新しい通信サービスの展開動向は，今後の我が国の社会経済の発展に大きな影響を与えるものと予想されます。
　郵政省は，昭和48年以来我が国の通信の現状や動向を，通信白書として国民の皆様に明らかにして参りましたが，10回目に当たる今回の白書では，56年度における通信全般の現状を紹介するとともに，「多様化の進む通信サービス」をテーマとして取り上げ，急速に進展する通信サービスについて，その概況を諸外国の状況を含めて概説しております。
　宇宙通信，データ通信，画像通信など通信の新しい発展は，社会に一層の進歩をもたらし，国民生活をより豊かにするものと期待されますが，その実現のために取組むべき課題もまた多岐にわたっております。
　今後，通信が発展する社会経済の基盤としての役割を十分果たしていくためには，総合的，長期的視点に立った通信政策が必要とされております。
　この白書により，国民の皆様に，我が国の通信に関する諸問題と当省の施策について一層の御理解を深めていただければ幸いです。

　昭和57年11月

郵政大臣　桧　垣　徳　太　郎