平成元年版 通信白書

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第1章 昭和63年通信の現況

(5)国際放送の充実・強化

 我が国の国際放送は,国際理解の増進や海外在留邦人への情報提供を目的として,NHKが「ラジオ日本」の名称で全世界に向けて短波放送により実施しており,諸外国の我が国に対する正しい理解・認識を得る上で,その役割はますます重要なものとなっている。
 このため,郵政省では従来から受信状況の改善を中心とした充実・強化策をとってきている。
(国内送信設備の整備)
 KDD八俣送信所(茨城県)の送信機の整備・増カエ事が63年3月に完成したのを受けて,300kW4台,100kW4台の新設備による放送が,63年4月から本格的に開始された。これにより,放送時間が1日延べ40時間から43時間に増加されるとともに,東南アジア等の近隣地域を中心に受信状況が大きく改善されている。
 (海外中継の充実)
 遠隔地域の受信状況の改善を目的とした海外中継放送については,サックビル送信所による北米向けカナダ中継を,63年4月より,相互に相手国の国際放送を中継しあう相互交換中継方式に改めた。
 また,中南米地域については,ガボン共和国(モヤビ送信所)からの中継を行っていたが,63年8月から,これに加えて南米仏領ギアナのモンシネリ送信所からの中継(1日4.5時間)を開始した。本中継放送は,フランスとの交換中継として行われているが,受信状況の改善に大きな効果をあげていることから,平成元年4月から1日6時間に増加した。
 なお,ギアナ中継の開始に伴い,ガボンからの南米向け放送を2時間削減し,その1時間ずつを欧州及びアフリカ南部地域に振り向けた。これにより,従来,受信が困難であったアフリカ南部地域においても良好な受信状況が得られている。
 さらに,平成元年4月から欧州等向けガボン中継を更に30分拡充している。これらの施策により,遠隔地域への国際放送についてはかなりの改善が図られたが,南西アジア地域にまだ受信状況の不安定な地域が残っているため,その受信状態改善のための検討を行っている。
(映像メディアの活用)
 今日極めて大きな影響力を有するテレビジョン放送等の映像メディアを諸外国への情報提供手段として活用することは,我が国に対する理解,認識を深める上で効果的であり,我が国においても郵政省など関係機関で検討を行なっているところである。

第1-4-8図 スペース・ケーブルネット構想の概念図

 

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